Mule 4 の概要: Java インテグレーション

Mule 4.1 の標準サポートは 2020 年 11 月 2 日に終了しました。このバージョンの Mule は、拡張サポートが終了する 2022 年 11 月 2 日にその すべてのサポート​が終了しました。

このバージョンの Mule を使用する CloudHub には新しいアプリケーションをデプロイできなくなります。許可されるのはアプリケーションへのインプレース更新のみになります。

標準サポートが適用されている最新バージョンの Mule 4 にアップグレード​することをお勧めします。これにより、最新の修正とセキュリティ機能強化を備えたアプリケーションが実行されます。

式かコードか

経験豊富な Mule ユーザであれば、Mule 4 ではアプリケーションの構造化について、式言語を使用すれば実行可能なことが制限されるアプローチを敢えて採用していることに気が付くでしょう。その目的は、フローロジックと、コードから抽出されるビジネスロジックを明確に分けておくことです。

フローのデータを抽出、クエリ、変換、その他の方法で処理する場合に推奨されるツールは、DataWeave の式と変換です。カスタムロジックの作成、Java オブジェクトのインスタンス化、任意のメソッドのコールを行う場合の MuleSoft の推奨方法は、このコードをスクリプトまたはクラスにカプセル化して、挿入やテストを簡単に実行できるようにすることです。

このため MuleSoft では Expression コンポーネントと Expression トランスフォーマを排除し、代わりにロジックをスクリプトまたは Java クラスに明確に分離することを奨励しています。

DataWeave からの静的 Java メソッドのコール

データを書式設定または解析するために Java ロジックをコールアウトしようとする場合に、DataWeave で静的メソッドをコールアウトできるようになりました。次の Java メソッドについて考えてみます。

package org.acme;
public class MyCompanyUtils {
  public static String reformat(String input) {
    return …;
  }
}

このメソッドは次の DataWeave コードでコールできます。

import java!org::acme::MyCompanyUtils
---
{
  date: MyCompanyUtils::reformat(payload.input)
}

スクリプティングモジュール

Mule 3 の Scripting コンポーネントがスクリプティングモジュールになりました。Mule 4 のこのモジュールでは、Groovy、Ruby、Python、JavaScript などのスクリプトを Mule フロー内に埋め込むことができます。新しい ​parameters​ 設定属性を使用して、Mule メッセージのデータをコードに挿入できます。

<script:execute engine="groovy">
    <script:code>
         return "$payload $prop1 $prop2"
    </script:code>
    <script:parameters>
         #[{prop1: "Received", prop2: payload.body}]
    </script:parameters>
</script:execute>

スクリプティングモジュールを使用するには、Studio パレットを使用してアプリケーションに追加するか、次の連動関係を ​pom.xml​ ファイルに追加します。

<dependency>
  <groupId>org.mule.modules</groupId>
  <artifactId>mule-scripting-module</artifactId>
  <version>1.1.0</version> <!-- or newer -->
  <classifier>mule-plugin</classifier>
</dependency>

このモジュールについての詳細は、​「スクリプティングモジュールドキュメント」​を参照してください。

Java モジュール

スクリプティングモジュールは、ランダムな命令セットを実行して Java との連動を可能にする極めて強力なツールですが、単にクラスをインスタンス化したり、1 つのメソッドを実行するだけで事足りることも少なくありません。こうした場合、Mule 3 では通常 MEL を利用しますが、Mule 4 ではこのユースケースのために Java モジュールが導入されました。Java モジュールがスクリプティングモジュールに勝る他のメリットとして次の点が挙げられます。

  • DataSense​ をサポート: メソッドを実行するたびに、出力種別とメソッドの入力引数の DataSense を取得します。

  • UI をサポート: 各クラスで使用可能なメソッドやオートコンプリートなどの視覚補助を備えています。

新しい Java インスタンスの作成

Mule 3 の場合:

<set-payload value="#[new com.foo.AppleEater()]" />
<set-payload value="#[new com.foo.AppleEater('some string arg', flowVars.apple)]" />

Mule 4 の場合:

<java:new class="com.foo.AppleEater" constructor="MyClass()"/>

<java:new class="com.foo.AppleEater" constructor="MyClass(String, Apple)">
  <java:args>#[{name: 'some string arg', apple: vars.apple}]</java:args>
</java:new>

インスタンスメソッドの呼び出し

Mule 3 の場合:

<expression-component>
  flowVars.appleEater.chew(500)
</expression-component>

Mule 4 の場合:

<java:invoke class="com.foo.AppleEater" method="chew(Integer)" instance="#[vars.appleEater]">
  <java:args>
    #[{chewingTime: 500}]
  </java:args>
</java:invoke>

invoke​ 機能は、DataWeave の関数でも実行できます。

<set-payload value="#[Java::invoke('com.foo.AppleEater', 'chew(Integer)', vars.appleEater, {chewingTime: 500})]"/>

Java モジュールを使用するには、Studio パレットを使用してアプリケーションに追加するか、次の連動関係を ​pom.xml​ ファイルに追加します。

<dependency>
  <groupId>org.mule.modules</groupId>
  <artifactId>mule-java-module</artifactId>
  <version>1.0.0</version> <!-- or newer -->
  <classifier>mule-plugin</classifier>
</dependency>