SAP S/4HANA セットアップガイド
S/4HANA Cloud SOAP アウトバウンドサービス (製品の複製: productmdmbulkreplicaterequest) と S/4HANA Cloud SOAP Connector を Cloudhub にデプロイされた Mule アプリケーションとして設定およびテストする方法について説明します。
S/4HANA での設定
S/4HANA で必要な設定を行う手順は、次のとおりです。
-
対応する Fiori アプリケーションで通信システムを作成します。この通信システムは、S/4HANA Cloud SOAP サービスを使用する外部システムを表します。この例では、「COM_0009_SOAP_OUT」という名前です。
-
[Business System (ビジネスシステム)] の名前には、[System ID (システム ID)] と同じ名前を使用します。
-
[Host Name (ホスト名)] 項目に、Cloudhub にデプロイされた Mule アプリケーションのホスト名を入力します (ホスト名がまだない場合は、モック URL を入力し、後で変更できます)。
-
アウトバウンドシナリオで商品情報を送信する Cloud Hub アプリケーションに接続するために使用されるユーザーを作成します (これは、Mule アプリケーションがユーザーを検証しない場合でも必要です。アウトバウンドにはユーザーが使用されています)。
-
[Communication Arrangement (通信契約)] Fiori アプリケーションを使用して、新しい通信契約を作成します。
-
新しい通信契約を作成し、通信シナリオ「SAP_COM_0009」を選択して、契約の特定の名前「SAP_COM_0009_SOAP」を定義します。
-
[Communication System (通信システム)] 項目で、前のステップで作成した通信システムを選択します。
-
アウトバウンド通信で、以前に作成したユーザーを選択し、[Product Master - Replicate from SAP S/4HANA Cloud to Client (製品マスター - SAP S/4HANA Cloud からクライアントへの複製)] を設定し、次の設定を含めます。必ずパス (
/sap/bc/srt/scs/sap/productmdmbulkreplicaterequest) をメモしてください。このパスは Mule アプリケーション SOAP エンドポイントの設定に使用します。-
[Service Status (サービスの状況)] を [Active (アクティブ)] に設定
-
Replication Model (複製モデル) (任意の名前)
-
Replication Mode (複製モデル) = I (初期化)
-
Output Mode (出力モード) = D (直接)。
-
-
保存します。S/4HANA Cloud 側のすべての設定が完了すると、S/4HANA Cloud SOAP Connector にインポートするメタデータを含む WSDL を Mule アプリケーションにダウンロードできるようになります。
Mule アプリケーションでの設定
次の例は、MuleSoft の SAP S/4HANA SOAP Connector の Outbound Message Listener 操作を使用して、Mule アプリケーションを作成する方法を説明しています。
-
Mule プロジェクトを作成し、Exchange から Mule パレットに適切なコネクタを追加します。
-
[Outbound Message Listener] をキャンバスに追加して設定します。
-
S/4HANA Cloud からダウンロードした WSDL に対応する WSDL パスを追加し、HTTP リスナー設定を作成します。
*注意*: Mule アプリケーションでは認証を使用していないため、[Trust Store Configuration (トラストストア設定)] には [Insecure (非セキュア)] オプションを使用しています。キーストア設定には、HTTPS 通信に必須のテストキーストアを使用しています。
-
コネクタが SAP から受信すると予想されるメッセージ種別を選択します (コネクタは、設定した WSDL からメタデータを読み取ります)。
-
サービス呼び出しの結果が OK の場合に S/4HANA Cloud が送信するのと同じ状況を送信するため、[Responses (応答)] タブで [Status Code (状況コード)] に「202」、と [Reason phrase (理由を示す語句)] に「Accepted」 (受け入れ) を使用します。応答としてペイロードは返されず、状況コードと理由を示す語句のみが返されます。
-
Logger コンポーネントを使用して、インバウンド XML ペイロードをログに記録します。
Mule フローは次のようになります。
-
CloudHub にアプリケーションをデプロイします。これで、シナリオをテストする準備ができました。
シナリオのテスト
シナリオをテストする手順は、次のとおりです。
-
以下を作成します。S/4HANA Cloud の対応する Fiori アプリケーションで素材を作成するだけです。
新しい素材を保存すると、S/4HANA Cloud に次の確認が表示されます。
Cloudhub の Runtime Manager の Mule アプリケーションで受信された XML メッセージを次に示します。
-
[Message Dashboard (メッセージダッシュボード)] Fiori アプリケーションで、送信されたメッセージを確認します。
-
日付を選択します。
-
[CMD:Product Integration - /CMDPR → Product Replication to Client via Service - PRDREQ_OUT/00001 namespace (CMD: 製品インテグレーション - /CMDPR → サービスを介したクライアントへの製品の複製 - PRDREQ_OUT/00001 名前空間)] で検索します。
S/4HANA カスタマイズガイド
顧客と注文の両方の同期のユースケースをエンドツーエンドで機能させるために作成する必要がある、カスタム項目に関する指標を次に示します。
ユースケースに対応するオブジェクトに次の新しい項目を作成します。
| Salesforce オブジェクト | 項目名 | データ型 | 長さ | 一意 | ExternalId |
|---|---|---|---|---|---|
BusinessPartner |
YY1_SME_MPARTYROLEID_bus |
Text (テキスト) |
36 |
Y |
Y |
SalesOrder |
YY1_SME_MORDERID_SDH |
Text (テキスト) |
36 |
Y |
Y |
Product (商品) |
YY1_SME_UnvProductId_PRD |
Text (テキスト) |
36 |
Y |
Y |
SAP S/4HANA から Salesforce Consumer Goods Cloud への顧客と商品の両方の同期のために作成する必要がある、カスタム項目に関する指標を次に示します。
アプリケーションのカスタム項目を使用して、次の項目を作成します。
| SAP 項目名 | 表示ラベル | データ型 | 長さ | SAP ビジネスコンテキスト |
|---|---|---|---|---|
YY1_SME_ParentID_RTL |
Parent ID (親 ID) |
Text (テキスト) |
10 |
Master Data: Business Partner (マスターデータ: ビジネスパートナー) |
YY1_SME_AccouTemp_RTL |
Account template (アカウントテンプレート) |
Text (テキスト) |
50 |
Master Data: Business Partner (マスターデータ: ビジネスパートナー) |
YY1_SME_KAM_Prod_RTL |
KAM Products (KAM 商品) |
Text (テキスト) |
40 |
Master Data: Product General (マスターデータ: 商品全般) |
YY1_SME_Comp_Prod_RTL |
Competitive Product (競合商品) |
Checkbox (チェックボックス) |
1 |
Master Data: Product General (マスターデータ: 商品全般) |
YY1_SME_Prod_Temp_RTL |
Product template (商品テンプレート) |
Text (テキスト) |
50 |
Master Data: Product General (マスターデータ: 商品全般) |
YY1_SME_Prod_Code_RTL |
Product code (商品コード) |
Text (テキスト) |
50 Master Data: Product General (マスターデータ: 商品全般) |
|
YY1_SME_Shrt_PCode_RTL |
Short Product Code (短い商品コード) |
Text (テキスト) |
40 |
Master Data: Product General (マスターデータ: 商品全般) |
YY1_SME_Sell_Code_RTL |
Sell in Code (コードで販売) |
Text (テキスト) |
40 |
Master Data: Product General (マスターデータ: 商品全般) |
YY1_SME_Asset_Temp_RTL |
Asset Template (アセットテンプレート) |
Text (テキスト) |
20 |
Master Data: Product General (マスターデータ: 商品全般) |
YY1_SME_PackSize_RTL |
Pack Size (パックサイズ) |
Decimal (10 進数) |
12 |
Master Data: Product General (マスターデータ: 商品全般) |
YY1_SME_PackSizeUn_RTL |
Pack Size Unit (パックサイズ単位) |
Text (テキスト) |
10 |
Master Data: Product General (マスターデータ: 商品全般) |
YY1_SME_ProdForm_RTL Product Form |
Text (テキスト) |
10 |
Master Data: Product General (マスターデータ: 商品全般) |
|
YY1_SME_Category_RTL |
Category (カテゴリ) |
Text (テキスト) |
40 |
Master Data: Product General (マスターデータ: 商品全般) |
YY1_SME_SubCategor_RTL |
SubCategory |
Text (テキスト) |
40 |
Master Data: Product General (マスターデータ: 商品全般) |
YY1_SME_Brand_RTL |
Brand (ブランド) |
Text (テキスト) |
40 |
Master Data: Product General (マスターデータ: 商品全般) |
YY1_SME_Flavor_RTL |
Flavor (フレーバー) |
Text (テキスト) |
40 |
Master Data: Product General (マスターデータ: 商品全般) |
YY1_SME_Package_RTL |
Package (パッケージ) |
Text (テキスト) |
40 |
Master Data: Product General (マスターデータ: 商品全般) |
YY1_SME_Prod_Desc1_RTL |
Description 1 (説明 1) |
Text (テキスト) |
50 |
Master Data: Product General (マスターデータ: 商品全般) |
YY1_SME_Prod_Desc2_RTL |
Description 2 (説明 2) |
Text (テキスト) |
40 |
Master Data: Product General (マスターデータ: 商品全般) |
YY1_SME_DlvValFrom_RTL |
Delivery Valid From (配送有効期間開始日) |
Date (日付) |
なし |
Master Data: Product General (マスターデータ: 商品全般) |
YY1_SME_FieldValFr_RTL |
Field Valid From (項目有効期間開始日) |
Date (日付) |
なし |
Master Data: Product General (マスターデータ: 商品全般) |
YY1_SME_KAMValFrom_RTL |
KAM Valid From (KAM 有効期間開始日) |
Date (日付) |
なし |
Master Data: Product General (マスターデータ: 商品全般) |
YY1_SME_NewItmVldF_RTL |
New Item Valid From (新規項目有効期間開始日) |
Date (日付) |
なし |
Master Data: Product General (マスターデータ: 商品全般) |
YY1_SME_FundValiFr_RTL |
Fund Valid From (資金有効期間開始日) |
Date (日付) |
なし |
Master Data: Product General (マスターデータ: 商品全般) |
YY1_SME_DlvValThru_RTL |
Delivery Valid Thru (配送有効期間終了日) |
Date (日付) |
なし |
Master Data: Product General (マスターデータ: 商品全般) |
YY1_SME_FieldValTh_RTL |
Field Valid Thru (項目有効期間終了日) |
Date (日付) |
なし |
Master Data: Product General (マスターデータ: 商品全般) |
YY1_SME_KAMValThru_RTL |
KAM Valid Thru (KAM 有効期間終了日) |
Date (日付) |
なし |
Master Data: Product General (マスターデータ: 商品全般) |
YY1_SME_NewItmVldT_RTL |
New Item Valid Thru (新規項目有効期間終了日) |
Date (日付) |
なし |
Master Data: Product General (マスターデータ: 商品全般) |
YY1_SME_FundValiTh_RTL |
Fund Valid Thru (資金有効期間終了日) |
Date (日付) |
なし |
Master Data: Product General (マスターデータ: 商品全般) |
YY1_SME_ManItemNmb_RTL |
Manufacturer Item Number (メーカー品目番号) |
Text (テキスト) |
20 |
Master Data: Product General (マスターデータ: 商品全般) |
YY1_SME_EstimValue_RTL |
Estimated Value (推定値) |
Text (テキスト) |
20 |
Master Data: Product General (マスターデータ: 商品全般) |
YY1_SME_PowSuppCon_RTL |
Power Supply Connected (電源接続済み) |
Checkbox (チェックボックス) |
なし |
Master Data: Product General (マスターデータ: 商品全般) |
YY1_SME_HierarchID_RTL |
Hierarchy Identifier (階層識別子) |
コードリスト |
2 |
Master Data: Product General (マスターデータ: 商品全般) |
YY1_SME_HierarchID_RTL データ型はコードリストであるため、使用できる値は次のとおりです。
| コード値 | 説明 |
|---|---|
CA |
Category (カテゴリ) |
SU |
SubCategory (サブカテゴリ) |
BR |
Brand (ブランド) |
FL |
Flavor (フレーバー) |
PR |
Product (商品) |
各項目の [UIs and Reports (UI とレポート)] セクションで、対応する UI アプリケーション (ビジネスパートナーまたは商品の基本データ) と [OData extension model (OData 拡張モデル)] オプションを有効にして、パブリッシュします。
各アプリケーションに項目を追加するには、プロファイルから [Adapt UI (UI を適応)] オプションを使用します。