DataWeave の演算子

DataWeave 2.1 は Mule 4.1 と互換性があります。 Mule 4.1 の標準サポートは 2020 年 11 月 2 日に終了しました。このバージョンの Mule は、拡張サポートが終了する 2022 年 11 月 2 日にその​​すべてのサポートが終了します。

このバージョンの Mule を使用する CloudHub には新しいアプリケーションをデプロイできなくなります。許可されるのはアプリケーションへのインプレース更新のみになります。

標準サポートが適用されている最新バージョンの Mule 4 にアップグレード​することをお勧めします。これにより、最新の修正とセキュリティ機能強化を備えたアプリケーションが実行されます。

DataWeave バージョン 2 は、いくつかの数学演算子、等価演算子、比較演算子、論理演算子、先頭追加演算子、追加演算子をサポートしています。

数学演算子

DataWeave バージョン 2 は、ほとんどの一般的な数学演算子をサポートしています。

演算子 説明

+

加算

*

乗算

/

除算

次の例では、数学演算子を使用しています。

取得元
%dw 2.0
output application/json
---
{ "math" : [
    { "2 + 2" : (2 + 2) },
    { "2 - 2" : (2 - 2) },
    { "2 * 2" : (2 * 2) },
    { "2 / 2" : (2 / 2) }
  ]
}
出力
"math": [
    { "2 + 2": 4 },
    { "2 - 2": 0 },
    { "2 * 2": 4 },
    { "2 / 2": 1.0 }
  ]
}

いくつかの DataWeave 関数は数値を操作します。たとえば、​sum​、​mod​ (剰余)、​avg​ (平均) などがあります。

等価演算子と比較演算子

DataWeave バージョン 2 は、次の等価演算子と比較演算子をサポートしています。

演算子 説明

<

次の値より小さい。

>

次の値より大きい。

<=

次の値以下。

>=

次の値以上。

==

次の値と等しい。

~=

値の型が異なる場合、等価演算子は、1 つの値をもう 1 つの値の型に強制変換しようとします。

論理演算子​ ​not​ を使用することで、これらの演算子を否定することができます。

次の例では、比較演算子を使用しています。

取得元
%dw 2.0
output application/json
---
{ "relational" : [
    { "1 < 1" : (1 < 1) },
    { "1 > 2" : (1 > 2) },
    { "1 <= 1" : (1 <= 1) },
    { "1 >= 1" : (1 >= 1) }
  ]
}
出力
{ "relational": [
    { "(1 < 1)": false },
    { "(1 > 2)": false },
    { "(1 <= 1)": true },
    { "(1 >= 1)": true }
  ]
}

比較演算子のオペランドの型が異なる場合は、DataWeave は右側のオペランドを左側のオペランドの方に強制変換します。 たとえば、式 ​"123" > 12​ では、​12​ (数値型) が ​"12"​ (文字列型) に強制変換され、各文字列値が辞書的順序で比較されます。 式 ​123 > "12"​ では、文字列値 ​"12"​ が数値 ​12​ に強制変換され、数値が比較されます。

次の例では、等価演算子を使用しています。

取得元
%dw 2.0
output application/dw
---
{ "equality" :
  [
    (1 == 1),
    (1 == 2),
    ("true" == true),
    ("true" ~= true),
    (['true'] ~= [true]),
    ('1' ~= 1)
  ]
}
出力
{
  equality: [ true, false, false, true, true, true ]
}

論理演算子

次の論理演算子がサポートされています。

演算子 説明

not

入力の結果を否定します。

and

すべての入力の結果が true の場合は ​true​ を返し、それ以外の場合は ​false​ を返します。

or

いずれかの入力の結果が true の場合は ​true​ を返し、それ以外の場合は ​false​ を返します。

次の例は、これらの演算子の使用方法を示しています。

取得元
%dw 2.0
output application/json
var myArray = [1,2,3,4,5]
var myMap = myArray map not (($ mod 2) == 0)
---
{
  "not" : [
    "notTrue" : not true,
    "notFalse" : not false,
    "myMapWithNot" : myMap
  ],
  "and" : [
    "andTrueFalse" : true and false,
    "andIsTrue" : (1 + 1 == 2) and (2 + 2 == 4),
    "andIsFalse" : (1 + 1 == 2) and (2 + 2 == 2)
  ],
  "or" : [
    "orTrueFalse" : true or false,
    "orIsTrue" : (1 + 1 == 2) or (2 + 2 == 2),
    "orIsFalse" : (1 + 1 == 1) or (2 + 2 == 2)
  ]
}

myMap​ はリスト (​myArray​) 内の項目を反復処理し、剰余 (​mod​) 式が各項目に適用されたときに ​0​ と評価​されない​かどうかを決定します。

出力
{
  "not": [
    { "notTrue": false },
    { "notFalse": true },
    { "myMapWithNot": [ true, false, true, false, true ] }
  ],
  "and": [
    { "andTrueFalse": false },
    { "andIsTrue": true },
    { "andIsFalse": false }
  ],
  "or": [
    { "orTrueFalse": true },
    { "orIsTrue": true },
    { "orIsFalse": false }
  ]
}

not​ は ​not (true)​ のような式では機能しますが、​not(true)​ (スペースなし) では機能しないことに注意してください。

論理演算子は組み合わせて使用することができます。次の例では、​orNot​ 式で ​or not​ を、​andNot​ 式で ​and not​ を、​notWithAndNot​ 式で ​not​ と ​and not​ を使用しています。

例: 論理演算子を組み合わせた使用
%dw 2.0
output application/json
var orNot = if (1 + 1 == 4 or not 1 == 2) {"answer": "foo"}
             else {"answer": "nope"}
var andNot = if (1 + 1 == 2 and not 1 == 2) {"answer": "bar"}
             else {"answer": "nope"}
var notWithAndNot = if (not (1 + 1 == 2 and not 1 == 1)) {"answer": "foobar"}
              else {"answer": "nope"}
---
{ "answers" :
  [
    orNot,
    andNot,
    notWithAndNot
  ]
}
出力
{
  "answers": [
    { "answer": "foo" },
    { "answer": "bar" },
    { "answer": "foobar" }
  ]
}

配列用の先頭追加演算子と追加演算子

DataWeave バージョン 2 は、配列内に項目を追加および先頭に追加する演算子をサポートしています。

演算子 説明

>>

演算子の左側のデータを右側の配列内の項目の先頭に追加します。たとえば、​1 >> [2]​ の結果は ​[ 1, 2 ]​ となり、配列内の ​2​ の前に ​1​ が追加されます。

<<

演算子の右側のデータを左側の配列内の項目に追加します。たとえば、​[1] << 2​ の結果は ​[ 1, 2 ]​ となり、配列内の ​1​ の後に ​2​ が追加されます。

+

演算子の右側のデータを左側の配列内の項目に追加します。たとえば、​[1] + 2​ の結果は ​[ 1, 2 ]​ となり、配列内の ​1​ の後に ​2​ が追加されます。配列は、常に演算子の左側になります。

次の例は、これらの演算子の使用方法を示しています。

例: 先頭追加演算子と追加演算子の使用
%dw 2.0
output application/json
---
{
  "prepend-append" : [
  	 // Array on right side when prepending.
     { "prepend" : 1 >> [2] },
     { "prepend-number" : 1 >> [1] },
     { "prepend-string" : "a" >> [1] },
     { "prepend-object" : { "a" : "b"} >> [1] },
     { "prepend-array" : [1] >> [2, 3] },
     { "prepend-binary" : (1 as Binary) >> [1] },
     { "prepend-date-time" : |23:57:59Z| >> [ |2017-10-01| ] },
  	 // Array is on left side when appending.
     { "append-number" : [1] << 2 },
     { "append-string" : [1] << "a" },
     { "append-object" : [1] << { "a" : "b"} },
     { "append-array" : [1,2] << [1, 2, 3] },
     { "append-binary" : [1] << (1 as Binary) },
     { "append-date-time" : [ |2017-10-01| ] << |23:57:59Z| },
     { "append-object-to-array" : [1,2] << {"a" : "b"} },
     { "append-array-to-array1" : ["a","b"] << ["c","d"] },
     { "append-array-to-array2" : [["a","b"],["c","d"]] << ["e","f"] },
     // + always appends within the array
     { "append-with-+" : [1] + 2 },
     { "append-with-+" : [2] + 1 }
  ]
}
出力
{
  "prepend-append": [
    { "prepend": [ 1, 2 ] },
    { "prepend-number": [ 1, 1 ] },
    { "prepend-string": [ "a", 1 ] },
    { "prepend-array": [ [ 1 ], 2, 3 ] },
    { "prepend-object": [ { "a": "b" }, 1 ] },
    { "prepend-binary": [ "\u0001", 1 ] },
    { "prepend-date-time": [ "23:57:59Z", "2017-10-01" ] },
    { "append-number": [ 1, 2 ] },
    { "append-string": [ 1, "a" ] },
    { "append-object": [ 1, { "a": "b" } ] },
    { "append-array": [ 1, 2, [ 1, 2, 3 ] ] },
    { "append-binary": [ 1, "\u0001" ] },
    { "append-date-time": [ "2017-10-01", "23:57:59Z" ] },
    { "append-object-to-array": [ 1, 2, { "a": "b" } ] },
    { "append-array-to-array1": [ "a", "b", ["c","d"] ] },
    { "append-array-to-array2": [ ["a","b"], ["c","d"], ["e","f"] ] },
    { "append-with-+": [ 1, 2] },
    { "append-with-+": [ 2, 1] }
  ]
}