Mule 4 の概要: Studio 7

Mule 4 の新機能について学ぶ前に、Studio 7 をインストールして慣れておきます。Studio 7 は Mule 4 アプリケーションの開発環境です。Mule 4 をサポートするほか、生産性を向上させる新機能が多数追加されています。Studio 7 は Mule 3 アプリケーションの起動をサポートしていません。

新しい Mule パレット

Studio 6 パレットでは、適切な操作を探すために、コネクタを見つけてキャンバスにドラッグし、操作を検索するという数段階のプロセスを経る必要がありました。Studio 7 ではこのプロセスを加速するために、アクセス時間、検出性、分類を向上させる 2 層構造のパレットが導入されています。コネクタの操作を直接検索し、実行頻度の高い操作を簡単にお気に入りに追加できます。

コネクタとモジュールの管理も改善されています。Studio 7 では、コネクタの各バージョンをプロジェクトに明示的に追加できるため、プロジェクト特有のパレットを設定することができます。そのため、使用していないコネクタやモジュールを目にすることがありません。

Studio パレット

Maven との自動インテグレーションによる連動関係の管理

Studio の旧バージョンでは、Mule の各モジュールが Eclipse プラグインで、「サイトの更新」メカニズムを使用したインストールが必要でした。今回、各モジュールが単なるプロジェクトの連動関係となり、Maven で管理されるようになりました。つまり、膨大な「サイトの更新」、プラグインのインストール、プラグインのバージョンなどに対処する必要がなくなります。Studio で自動的に Maven 連動関係を「pom.xml」ファイルに追加して追跡します。

Maven について知らなくても心配いりません。Studio が自動的に各プロジェクトにデフォルトの ​pom.xml​ ファイルを作成して Maven を管理します。

XML ビューへの移動

ビジュアルビューから XML にすばやく移動できるようになりました。

  • 任意のコンポーネントを右クリックし、[Go to XML (XML へ移動)] を選択するだけです。

Anypoint Platform アカウントの管理

Platform に関連するどの操作でも、アカウントやビジネスグループ (該当する場合) を変更できるクイック変更ツールバーが表示されます。このツールバーからアカウントを追加することもできます。

たとえば、新しい Mule プロジェクトを作成する場合 ([File (ファイル)] > [New (新規)] > [Mule Project (Mule プロジェクト)])、Design Center から API 実装を選択すると、選択ダイアログの上部にツールバーが表示されます。

新しい Mule プロジェクトの作成時の Studio ログイン情報

同様に、Mule パレットから [Search in Exchange (Exchange で検索)] を選択すると、若干異なるツールバーが表示されます。

Mule パレットの Studio ログイン情報

メタデータのストレージ

Mule 4 アプリケーションには、データ種別に関するメタデータを保存する ​application-types.xml​ ファイルがあります。たとえば、新たに CSV 種別を作成すると、このファイルにそのメタデータが追加されます。この新しいファイルは、簡単に共有やコミット、競合が生じた場合のマージを実行できるため、メタデータ指向の開発に役立ちます。

その他の改善点

  • 操作性を向上させる新しい一連のグラフィックアイコン。

  • 操作のデフォルトの表示名を変更するときに、常に操作名 (Select、Delete など) を示すウォーターマークテキスト。この変更によって視覚的に確認しやすくなります。

  • 折りたたみ可能なフローと対話型プレビュー。