Oracle E-Business Suite 12.2 Connector 2.3 - Mule 4

Oracle EBS 12.2 Connector v2.3

Oracle E-Business Suite 12.2 用 Anypoint Connector (EBS 12.2 Connector) は、Mule Runtime Engine (Mule) インテグレーションと Oracle E-Business Suite 12.2 アプリケーションの間の接続を促進します。

コネクタのアーキテクチャについて

Oracle EBS には、さまざまな種類のインテグレーションに対応するための各種のテクノロジーや製品が含まれています。エンタープライズアプリケーションには、次のものが特に広く使用されています。

  • データ中心のインテグレーション。

  • Oracle E-Business Suite Integrated SOA Gateway (ISG) を使用した Web サービスによるインテグレーション。

次の図は、MuleSoft Oracle EBS Connector のインテグレーションアーキテクチャを示しています。

Oracle EBS 12.2 Connector のアーキテクチャ

始める前に

このコネクタを使用するには、以下に精通している必要があります。

  • Oracle E-Business Suite

  • お使いの Oracle EBS バージョンの Web サービスおよびインテグレーションのシナリオ

  • Anypoint Connector

  • Anypoint Studio

  • Mule の概念

  • Mule フローの要素とグローバル要素

以下も必要です。

  • 対象リソースへの接続をテストするための Oracle EBS ログイン情報

  • Anypoint Studio

  • Oracle EBS の Web サービス設定

    Oracle EBS 12.2 Connector を設定するには、Oracle EBS で REST Web サービスを設定して [Integration Repository (インテグレーションリポジトリ)] 経由で公開する必要があります。Oracle EBS を設定する方法についての詳細は、​コネクタの使用方法​を参照してください。

  • FND_WEB_SEC​ PL/SQL サービス

    このコネクタを使用するには、Oracle EBS で ​FND_WEB_SEC​ PL/SQL サービスがデプロイされている必要があります。

  • REST サービスロケーター

    このコネクタを使用するには、Oracle EBS で REST サービスロケーターが REST サービスとしてデプロイされている必要があります。

  • 小文字の WADL 名

    デプロイされた PL/SQL に対応した WADL には別名として小文字の内部名が必要です。たとえば、​HR_ABSENCE_TYPE_API​ という内部名を持つ ​PLSQL Interface : Absence Attendance Type​ をデプロイするには、そのサービスの別名が ​hr_absence_type_api​ となっている必要があります。

ソフトウェアの要件および互換性情報については、「コネクタリリースノート」を参照してください。

POM ファイル情報

<dependency>
  <groupId>com.mulesoft.connectors</groupId>
  <artifactId>mule-oracle-ebs-122-connector</artifactId>
  <version>x.x.x</version>
  <classifier>mule-plugin</classifier>
</dependency>
xml

x.x.x​ を使用しているコネクタに対応するバージョンに置き換えます。

最新の ​pom.xml​ ファイル情報を取得するには、​ Anypoint ExchangeLeaving the Site​ でコネクタにアクセスし、​[Dependency Snippets (連動関係スニペット)]​ をクリックします。

Studio プロジェクトへのコネクタの追加

Anypoint Studio には、Studio プロジェクトにコネクタを追加する 2 つの方法があります。

  • Studio タスクバーの Exchange ボタンから

  • [Mule Palette (Mule パレット)] ビューから

Exchange を使用してコネクタを追加する

  1. Studio で Mule プロジェクトを作成します。

  2. Studio タスクバーの左上にある Exchange アイコン ​(X)​ をクリックします。

  3. Exchange で、​[Login (ログイン)]​ をクリックし、Anypoint Platform のユーザー名とパスワードを指定します。

  4. Exchange で、「ebs」を検索します。

  5. コネクタを選択して ​[Add to project (プロジェクトに追加)]​ をクリックします。

  6. 画面の指示に従ってコネクタをインストールします。

Studio でコネクタに追加する

  1. Studio で Mule プロジェクトを作成します。

  2. [Mule Palette (Mule パレット)] ビューで、​[(X) Search in Exchange ((X) Exchange 内を検索)]​ をクリックします。

  3. [Add Modules to Project (モジュールをプロジェクトに追加)]​ で、検索項目に「ebs」と入力します。

  4. [Available modules (使用可能なモジュール)]​ で、このコネクタの名前をクリックします。

  5. [Add (追加)]​ をクリックします。

  6. [Finish (完了)]​ をクリックします。

コネクタの使用方法

  1. REST サービスの場所をデプロイして、コンシュームするコネクタの PL/SQL サービスを後で公開できるようにします。「関連情報」セクションの『Oracle Developer’s Guide Tutorial (オラクル開発者ガイドチュートリアル)』へのリンクを参照してください。

    次の手順は、PL/SQL Adjustment API を REST サービスとしてデプロイする方法を示しています。同じガイドがすべての PL/SQL に適用されます。

  2. [Integration Administrator (インテグレーション管理者)] ロールを持つユーザーとして Oracle E-Business Suite にログインします。

  3. ナビゲーションメニューから [Integrated SOA Gateway] 職責と [Integration Repository (インテグレーションリポジトリ)] リンクを選択します。

  4. [Integration Repository (インテグレーションリポジトリ)] タブで ​[Search (検索)]​ をクリックして [Search (検索)] のメインページにアクセスします。

  5. [Show More Search Options (検索オプションをさらに表示)]​ をクリックして追加の検索項目を表示します。

  6. 次のキー検索値を検索条件として入力します。

    • Category (カテゴリ): Interface Subtype

    • Category Value (カテゴリ値): PL/SQL

    • Internal Name (内部名): FA_ADJUSTMENT_PUB

      PL/SQL のデプロイ 検索ページ
  7. [Go (実行)]​ をクリックして検索を実行します。

  8. [Adjustments API]​ リンクをクリックすると、インターフェースの詳細が表示されます。

    PL/SQL のデプロイ Adjustment API ページ
  9. [REST Service Locator (REST サービスロケーター)] インターフェース名リンクをクイックすると、インターフェースの詳細ページが開きます。

  10. [REST Web Service (REST Web サービス)] タブで、次の情報を入力します。

    PL/SQL のデプロイ Adjustment API の設定

    重要:​ デプロイする Web サービスの別名は次の条件を満たす必要があります。
    1) 内部名である。
    2) 小文字である。別名情報は、[Service Alias (サービスの別名)] 表示ラベルにあります。この例では、別名は fa_adjustment_pub です。

  11. [Deploy (デプロイ)]​ をクリックして、サービスを Oracle E-Business Suite WebLogic 環境にデプロイします。

    REST サービスのデプロイが成功すると、[REST Service Status (REST サービスの状況)] 項目が [​Deployed​ (デプロイ済み)] となり、[View WADL (WADL を表示)] リンクが表示されます。

  12. [View WADL (WADL を表示)]​ リンクをクリックすると、デプロイされたサービスの WADL 記述が表示されます。

    PL/SQL のデプロイ Adjustment API デプロイ済み

Studio に設定する方法

  1. コネクタの操作を Anypoint Studio キャンバスにドラッグします。

  2. コネクタのグローバル要素を設定します。

    [Global Element Properties (グローバル要素プロパティ)]
    項目 説明

    Host (ホスト)

    Oracle EBS インスタンスのホスト。

    Port (ポート)

    Oracle EBS Web サービスのポート。

    SSL enabled (SSL が有効)

    オンの場合、コネクタは HTTP ではなく HTTPS を使用して Web サービスコールを実行します。

    Username (ユーザー名)

    Oracle EBS Web サービスにログインするためのユーザー名。

    Password (パスワード)

    ユーザー名のパスワード。

    Rest Service Locator alias (REST サービスロケーターの別名)

    デプロイ時に内部名 ​oracle.apps.fnd.rep.ws.service.EbsRestLocator​ を持つ Web サービスに割り当てられる名前。

    FND Web Sec alias (FND Web Sec 別名)

    デプロイ時に内部名 ​FND_WEB_SEC​ を持つ PL/SQL Web サービスに割り当てられる名前。

    Responsibility name (職責名)

    操作を実行するために必要な Oracle EBS 職責名。この項目には ​responsibility_key​ を使用できます。

    Responsibility application name (職責アプリケーション名)

    操作を実行するために必要なアプリケーションの短縮名。

    Security group name (セキュリティグループ名)

    (省略可能) Oracle EBS インスタンスのセキュリティグループキー (デフォルトは ​STANDARD​)。

    NLS language (NLS 言語)

    (省略可能) Oracle EBS インスタンスの NLS 言語 (デフォルトは ​AMERICAN​)。

    Org. ID (組織 ID)

    (省略可能) Oracle EBS インスタンスの組織 ID。

要求と応答の記録

コネクタを使用するときに要求と応答を記録するには、Mule アプリケーションの ​log4j2.xml​ 設定ファイルの ​Loggers​ 要素に次の行を追加して、ロガーを設定します。

<AsyncLogger name="name="org.mule.service.http.impl.service.HttpMessageLogger" level="DEBUG"/>
xml

次の例は、​AsyncLogger​ 行が追加された ​Loggers​ 要素を示しています。

<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<Configuration status="WARN">
	<Appenders>
	    <Console name="Console" target="SYSTEM_OUT">
	    	<PatternLayout pattern="%d{HH:mm:ss.SSS} [%t] %-5level %logger{36} - %msg%n"/>
		</Console>
	</Appenders>
	<Loggers>
		<AsyncLogger name="org.mule.service.http.impl.service.HttpMessageLogger" level="DEBUG" additivity="false">
			<appender-ref ref="Console" level="debug"/>
		</AsyncLogger>
	</Loggers>
</Configuration>
xml

アプリケーションログは次の方法で表示できます。

  • アプリケーションを Anypoint Platform から実行している場合、出力は Anypoint Studio のコンソールウィンドウに表示される。

  • コマンドラインから Mule を使用してアプリケーションを実行している場合、次のようになる。

    • アプリケーションログは OS コンソールに表示されます。

    • アプリケーションのログファイル (​log4j2.xml​) でログファイルパスがカスタマイズされていない場合、次のデフォルトの場所でアプリケーションログを表示することもできます。

MULE_HOME/logs/<app-name>.log

アプリケーションログについての詳細は、​「ログの設定」​を参照してください。

ユースケース: Oracle EBS 12.2 グローバル要素を作成する

次の手順に従って、Web サービスと PL/SQL の呼び出しの Oracle EBS 12.2 グローバル要素を作成します。

Listener、Transform Message、および Invoke PL/SQL REST Service を含む Studio フロー
  1. Studio で新しい Mule プロジェクトを作成し、新しいフローの提供元として HTTP リスナーを選択します。

  2. 新しい HTTP リスナーのグローバル要素設定を追加します。

    1. [Host (ホスト)]​ パラメーターと ​[Port (ポート)]​ パラメーターに次の値を指定します。

      パラメーター

      Host (ホスト)

      0.0.0.0

      Port (ポート)

      8081

    2. [Save (保存)]​ をクリックします。

  3. 新しいグローバル設定を HTTP リスナーに割り当てます。

  4. [HTTP Listener (HTTP リスナー)] で、[Path (パス)] に ​/start​ という値を設定します。

  5. [Transform Message]​ 要素をドラッグし、次のコードを追加します。

    %dw 2.0
    output application/xml
    ns ns0 http://xmlns.oracle.com/apps/per/rest/hr_location_api/create_location/
    ---
    {
      ns0#InputParameters: {
        ns0#P_VALIDATE: 0,
        ns0#P_EFFECTIVE_DATE: now,
        ns0#P_LOCATION_CODE: "HR- MuleSoft Office",
        ns0#P_DESCRIPTION: "Description Office"
      }
    }
    dataweave
  6. 新しい Oracle E-Business Suite 12.2 コンポーネントをフローにドラッグします。

  7. [General (一般)]​ タブで、Oracle E-Business Suite 12.2 Connector のグローバル要素にその環境値を設定します。

  8. Oracle E-Business Suite 12.2 Connector のプロパティエディターで、​[PL/SQL]​ を [​hr_location_api​]、​[Operation (操作)]​ を ​CREATE_LOCATION​ に設定します。

    Oracle の Create Location 操作のプロパティウィンドウ
  9. 次の内容を ​[Message (メッセージ)] > [Body (本文)]​ セクションにコピーします。

    #[payload]
  10. プロジェクトを保存し、Mule アプリケーションとして実行します。

  11. http://127.0.0.1:8081/start​ に移動し、アプリケーションをテストします。

ユースケース: XML