Salesforce Connector 10.20 - Mule 4

Salesforce Composite 用 Anypoint Connector (Salesforce Connector) を使用すると、オブジェクト、トピック、ドキュメント、チャネルの追加、変更、削除といった Salesforce イベントに反応するアプリケーションを作成できます。

Salesforce Connector を使用すると、Salesforce API に接続できます。このコネクタは、 Salesforce Apex クラス​を処理する場合など、Salesforce にアクセスするためのメソッドを公開します。

各自が設定する操作に応じて、このコネクタは Salesforce SOAP API、REST API、Bulk API、ストリーミング API と連動します。API コールごとに HTTPS 接続経由の要求/応答パターンを使用します。必要なすべてのリクエストヘッダー、エラー処理、および HTTPS 接続設定は、コネクタに組み込まれています。

互換性と解決された問題に関する情報は、「Salesforce Connector リリースノート」を参照してください。

始める前に

このコネクタを使用するには、以下に精通している必要があります。

  • Salesforce SOAP API、REST API、Bulk API、ストリーミング API

  • Anypoint Connector

  • Mule Runtime Engine (Mule)

  • Mule フローの要素とグローバル要素

  • Anypoint Studio (Studio) を使用した Mule アプリケーションの作成

アプリケーションを作成する前に、以下が必要です。

  • Salesforce 対象リソースへのアクセス権。これには、 Salesforce 開発者アカウント​と Salesforce セキュリティトークン​が必要です。

    Salesforce の [設定] ページの ​[私の個人情報]​ で ​[セキュリティトークンのリセット]​ を実行すると、メールで新しいセキュリティトークンを受け取ることができます。

  • コンシューマーキーおよびシークレット (Salesforce 開発者アカウントで使用可能)

  • 名前空間とスキーマの場所 (OAuth 認証を使用している場合)。

    Mule アプリケーションの XML を作成する予定の場合は、正しい名前空間とスキーマの場所を XML ファイルに含めます。Salesforce Connector を Mule アプリケーションのフローに追加すると、Studio によってこの情報が自動的に XML ファイルに追加されます。

制限事項

  • Salesforce Connector は、Salesforce API で可能なすべての操作を公開するわけではありません。

  • Salesforce Connector から Chatter API や Tooling API にはアクセスできません。

対象者

コネクタの一般的なユースケース

Salesforce Connector の一般的なユースケースを次に挙げます。

  • ERP のインテグレーション

    Salesforce と ERP & 財務アプリケーション間でデータをリアルタイムに同期して、営業チームが 1 つのシステムから関連するすべての顧客データにアクセスできるようにします。たとえば、SAP 用 Anypoint Connector (SAP Connector) を使用して、Salesforce、SAP、NetSuite 用 Anypoint Connector (NetSuite Connector) を使用して、Salesforce と NetSuite 間でデータを同期します。

  • データ集計

    複数の Salesforce 組織、他の CRM、ERP システム、およびデータベースから 1 つの Salesforce インスタンスにデータを収集したり、その情報を使用してレポートを生成したりします。

  • レガシーの近代化

    データを自動的に Salesforce に移行されるため、データの取得後の管理、従来の CRM システムからの移行、Salesforce への ERP データの移行を容易に行うことができます。

  • カスタマーエクスペリエンス

    Salesforce を ServiceNow や Marketo などのアプリケーションと統合することで、各チャネルで一貫したつながりのあるカスタマーエクスペリエンスを提供したり、顧客満足度を高めたり、収益を増加させたりできます。

これらのユースケースの例については、​「Salesforce Connector の例」​を参照してください。

認証種別

Salesforce Connector 接続では、次の認証種別を使用します。

  • Basic authentication (基本認証)

    ユーザー名とパスワードを使用して認証を行います。

  • OAuth 2.0

    ユーザーアカウントをホストするサービスにユーザー認証を委任します。

  • OAuth JWT

    JSON Web トークン (JWT) 要求を使用する OAuth 2.0 を使用してユーザー認証を行います。

  • OAuth SAML

    署名付き SAML 2.0 アサーションを使用する OAuth 2.0 を使用してアクセストークンを要求します。

  • OAuth Username password (OAuth ユーザー名/パスワード)

    ユーザーとパスワードを使用する OAuth 2.0 を使用して認証を行います。

これらの認証種別の設定についての詳細は、​「Anypoint Studio を使用した Salesforce Connector の設定」​を参照してください。

Salesforce Connector の設定および例

次の表には、特定の Salesforce Connector 情報へのリンクが記載されています。

Subject (件名) 説明

データの受け入れと変換

Salesforce からデータを受け取って変換する例

Apex SOAP および REST

APEX SOAP API と APEX REST API を設定します。

API

このコネクタがアクセスできる Salesforce API のリスト

アプリケーションの開発

処理の順序とインテグレーションパターン

バッチデータ

Salesforce Bulk API を使用してデータを一括処理する

リード取引開始要求 ID

DataWeave を使用してリード ID を指定する

親子リレーション

親子のリレーションを作成および更新する例

[Anypoint Exchange Templates and Examples]

テンプレートまたはサンプルで Salesforce Connector の開発を簡素化する

Subscribe Topic

Salesforce トピックをサブスクライブする

ストリーミングチャネルのサブスクライブ

Salesforce のストリーミングチャネルをサブスクライブする

Replay Topic

トピックからのイベントの再生

ストリーミングチャネルの再生

Salesforce ストリーミングチャネルからイベントを再生する

カスタムイベント通知

ストリーミングチャネル経由でカスタムイベント通知を入手する

イベント通知のプッシュ

ストリーミングチャネルへのイベントのプッシュ

Object Store の使用法

Object Store の使用法および制限

アプリケーションを開発する

アプリケーションを構築する手順は、次のとおりです。

  1. コネクタを設定します。

  2. 接続をテストします。

  3. フローの残りをビルドします。

  4. DataWeave を追加して設定します。

アプリケーションの開発時に Salesforce Connector から、Salesforce API との連動に使用できる次のインテグレーションパターンが提供されます。

  • Batch Data Synchronization (バッチデータの同期)

    外部システムがバッチで Salesforce のデータのアクセス、変更、削除、追加を行うか、その逆 (Salesforce から外部システム)。

  • Remote Call-In (リモートコールイン)

    外部システムが Salesforce のデータのアクセス、変更、削除、追加を行うか、その逆 (Salesforce から外部システム)。

  • ファイヤアンドフォゲットのリモートプロセスの呼び出し

    Salesforce がサードパーティシステムのプロセスを開始し、プロセスが開始したという確認を受信する。サードパーティシステムは、Salesforce とは関係なく処理を続行する。

  • 要求-返信のリモートプロセスの呼び出し

    Salesforce がリモートシステムのプロセスを開始し、リモートシステムが処理を完了するまで待機し、リモートシステムから返された制御を受け入れる。

  • User Interface Update Based on Data Changes (データ変更に基づくユーザーインターフェースの更新)

    サードパーティシステムでの変更に応じて Salesforce UI が更新される。

Salesforce API

Salesforce Connector は Salesforce Apex SOAP API、Apex REST API、Bulk API、Metadata API、ストリーミング API と連動しますが、Chatter API や Tooling API へのアクセスは提供しません。API コールごとに HTTPS 接続経由の要求/応答パターンを使用します。必要なすべてのリクエストヘッダー、エラー処理、および HTTPS 接続設定は、コネクタに組み込まれています。

  • Apex SOAP API

    Salesforce Apex SOAP API​ は、Apex クラスメソッドをカスタムの SOAP Web サービスコールとして公開します。これにより、外部アプリケーションが Apex Web サービスを呼び出して Salesforce でアクションを実行できます。

  • Apex REST API

    Salesforce Apex REST API​ は、Apex を使用して独自の REST ベースの Web サービスを作成します。この API は、REST アーキテクチャの利点をすべて備え、カスタムロジックを定義する機能を追加し、引数またはオブジェクトの自動マッピングを含みます。

  • Bulk API

    Salesforce Bulk API​ は、組織のデータのバッチを Salesforce にすばやく安全に読み込みます。​「データのバッチ読み込み」​も参照してください。

  • メタデータ API:

    Salesforce メタデータ API​ は、データ自体ではなくメタデータモデルを処理するカスタマイズとビルドツールを管理します。

  • SOAP API

    Salesforce SOAP API​ は、Salesforce 上の組織の情報に安全にアクセスできるようにします。Salesforce Connector が実行する操作の大半はこの API にマップします。

    SOAP API を使用して実行されるすべての Salesforce 操作には、あらゆる Salesforce SOAP ヘッダー​を取り込むことができる ​Headers​ という省略可能なパラメーターがあります。

  • ストリーミング API

    Salesforce ストリーミング API​ は、Salesforce にある組織の情報に対する変更に関する通知を安全に受信します。ストリーミング API の使用についての詳細は、​「Salesforce からデータを受信するストリーミングチャネルの作成」​を参照してください。

Anypoint Exchange のテンプレートと例

Anypoint Exchange​ は、アプリケーションのスタートポイントとして使用できるテンプレートと、完全なソリューションを具体的に示した例を提供しています。

Exchange の Salesforce Connector テンプレート

Anypoint Exchange のテンプレート​は、Studio プロジェクトの開始点となります。一例を紹介します。

Exchange の Salesforce Connector の例

Anypoint Exchange の例​により、完全な Studio プロジェクトを作成できます。一例を紹介します。

次のステップ

前提条件を満たし、テンプレートおよびサンプルを試したら、​Anypoint Studio​ でアプリケーションを作成できます。