SAP Connector 5.9

SAP 用 Anypoint Connector (SAP Connector) を使用すると、SAP NetWeaver に基づいてデータを外部システムと統合できます。

このコネクタを使用するには、個別のライセンスが必要です。このコネクタを評価したり、本番環境で使用したりするには、MuleSoft にお問い合わせください。

Mule Runtime Engine (Mule) では、SAP Java Connector (JCo) ライブラリを利用する SAP 用 Anypoint Connector を介した SAP インテグレーションがサポートされます。SAP JCo により、SAP バックエンドシステムと Java アプリケーション間の通信が促進されます。Java プログラムは、SAP システムに接続して、Remote Function Module を起動できるようになります。また、オブジェクト型が異なっていても IDoc (SAP 中間ドキュメント) を解析できるようになります。SAP 設定では、インバウンド通信とアウトバウンド通信の両方がサポートされます。

SAP JCo ライブラリを使用すると、Mule アプリケーションで次のことができます。

  • 次の種別の RFC プロトコルを介して BAPI 関数を実行する。

    • Synchronous Remote Function Call RFC (sRFC)

    • Asynchronous Remote Function Call RFC (aRFC)

  • sRFC および aRFC を介して BAPI としてコールされる JCo サーバーとして動作する。

  • tRFC および qRFC を介して IDoc を送信する。

  • tRFC および qRFC を介して IDoc を受信する。

  • SAP オブジェクト (BAPI および IDoc では JCo 関数) と XML 間の変換を行う。

SAP の頭字語については、​「SAP 用語」​を参照してください。

始める前に

このコネクタを使用するには、以下に精通している必要があります。

  • SAP Connector の API

  • Anypoint Connector

  • Mule Runtime Engine (Mule)

  • Mule フローの要素とグローバル要素

  • Anypoint Studio (Studio) を使用した Mule アプリケーションの作成

アプリケーションを作成する前に、以下が必要です。

  • SAP の対象リソースにアクセスするためのログイン情報

  • IDoc、JCO、JCO Native 用の SAP ライブラリ

    これらのライブラリをダウンロードするには、SAP の Web サイトに移動します。Studio 7 では、変換することなくライブラリ形式を直接使用できます。コネクタとの互換性があるライブラリを確認するには、​「SAP Connector Release Notes (SAP Connector リリースノート)」​を参照してください。

  • 必要な RFC、BAPI、および IDoc を使用できるロールまたはプロファイルを持つサービスユーザー。

  • SAP ビジネスコンテキスト (特に SAP R/3 ビジネススイート) の実践的な知識

  • 管理的な観点からの SAP NetWeaver プラットフォームの基本的な理解

  • ABAP 言語の知識

  • 必要な SAP ライブラリをダウンロードするための SAP ID

  • NetWeaver アプリケーションサーバー (NWAS) に接続するための RFC プロトコルの使用
    ECC​ および CRM​ は、他の SAP ソリューションと同様に NWAS 上で実行されるため、コネクタを使用するユーザーはこれらのシステムにアクセスできます。

  • Anypoint Studio を使用した Mule アプリケーションの作成方法に関する知識

コネクタの一般的なユースケース

SAP Connector の一般的なユースケースを次に挙げます。

  • エンタープライズリソースの統一されたビュー

    財務会計、資材管理、販売と流通、顧客サービスのビジネスでデジタル情報のリアルタイムインテグレーションを有効にして、コアビジネスプロセスを最適化するデータ主導の意思決定を行います。

  • データ同期

    SAP データを Salesforce、Workday、Marketo などのビジネスアプリケーションと同期します。たとえば、SAP の多数のアカウントを Salesforce に移行したり、SAP の組織の変更をリアルタイムに Workday にブロードキャストしたりできます。

  • 販売注文の自動化

    SAP ERP と CRM (Salesforce など) 間の販売注文プロセスを自動化します。

  • BAPI のサポート

    BAPI の検出、BAPI/RFM 対応の関数モジュールの照会、BAPI 関数の実行などを行います。

  • IDoc インテグレーション

    SAP の IDoc の送受信、IDoc のインポート、SAP オブジェクトと XML の変換を行います。

これらのユースケースの例については、​「SAP Connector の例」​を参照してください。

認証種別

SAP Connector 接続では、次の認証種別を使用します。

  • Certificate (証明書)

    X509 証明書を使用してユーザーを認証する接続プロバイダー。

  • Kerberos

    Kerberos プロトコルを実装してユーザーを認証および承認する接続プロバイダー。

  • Simple Connection Provider

    ユーザー名とパスワードを使用して接続する接続プロバイダー。

Exchange テンプレートおよび例

Anypoint Exchange​ は、アプリケーションのスタートポイントとして使用できるテンプレートと、完全なソリューションを具体的に示した例を提供しています。

次のステップ

前提条件を満たし、テンプレートおよびサンプルを試したら、​Anypoint Studio​ でアプリケーションを作成できます。