MCP Connector 1.2

MCP 用 Anypoint Connector (MCP Connector) では、Model Context Protocol (MCP) を使用して、MCP をサポートする AI クライアントが API、コネクタ、アプリケーションを呼び出して、それらと通信できるようにします。

MCP Connector を使用して LLM アプリケーションを API に接続します。複雑なエンドポイントを持つ API を、エージェントクライアントに適した簡単かつアトミックなツールまたはリソースとして公開します。エージェントのアクションにとって何が簡単で、繰り返し可能で、最適であるかを決定し、そこから始めます。

MCP は、LLM アプリケーションと外部データ、サービス、およびツール間のインテグレーションを可能にするオープンプロトコルです。

MCP プロトコル:

  • AI に関連情報を提供することで AI の精度を強化し、応答の正確さを向上します。

  • 外部データまたはサービスへのアクセスを必要とする複雑なタスクを AI が管理できるようにします。

  • AI モデルと外部システム間の相互運用性を促進し、ワークフローへの統合を簡略化します。

MCP Connector:

  • MCP プロトコルを使用して Mule アプリケーション、コネクタ、カスタム API を公開し、さらに Claude、Cursor、Windsurf のエージェントや独自のエージェントからのエージェント環境を有効にすることができます。

  • MCP サーバーとクライアントの両方の機能を果たすことができる Mule アプリケーションを作成できます。結果の MCP サーバーまたはクライアントは Mule の内部で実行されます。つまり、独自のホスト環境を設定する必要はありません。

    • MCP サーバーとして機能する場合、Mule を使用すると、AI クライアントで、MCP をネイティブにサポートしない既存の API 主導の投資、従来のシステム、SaaS アプリケーションを使用できます、

    • MCP クライアントとして機能する場合、Mule は、AI エージェントがワークフロー内で単に別のシステムとして追加される接続とオーケストレーションを作成するのに役立ちます。

  • Mule をオーケストレーションレイヤーとして使用することで、AI エージェントを既存のエンタープライズエコシステムに組み込むことができます。

  • サーバー用とクライアント用の両方の Streamable HTTP (推奨) と、SSE (サーバー用とクライアント用の両方) ​トランスポート方式​をサポートします。

  • /sse​、​/messages​、​/mcp​ を含め、すべての公開されたエンドポイントでカスタムレスポンスヘッダーをサポートします。カスタムレスポンスヘッダーを使用して、セキュリティ、運用、インテグレーション、ガバナンスのメリットを得ます。

  • 分散トレースのサポートを提供し、分散システム全体で MCP インタラクションの包括的な監視とオブザーバビリティを可能にします。

これにより、増大している AI エージェントエコシステムで Mule API とアプリケーションの機能を使用できます。

互換性と修正された問題については、「MCP Connector リリースノート」を参照してください。

始める前に

このコネクタを使用するには、以下に精通している必要があります。

  • Anypoint Connector

  • Mule Runtime Engine (Mule)

  • Mule フローの要素とグローバル要素

  • Anypoint Code Builder または Anypoint Studio を使用して Mule アプリケーションを作成する方法

アプリケーションを作成する前に、以下が必要です。

  • Java 17

  • Apache Maven

  • Anypoint Platform

  • 対象リソースに接続するためのログイン情報

  • Anypoint Code Builder または Anypoint Studio の最新バージョン

コネクタの一般的なユースケース

次に、コネクタの一般的なユースケースを示します。

  • カスタマーサービス

    AI エージェントを使用して、時間のかかるタスク (ケース履歴の確認、報告された問題の分析、関連情報の取得など) を処理することで、人間のエージェントの効率を高めます。

  • セールス

    プロスペクトの調査を加速し、カスタマイズした資料を生成し、契約書を作成することで、営業チームの成功を促進します。

  • マーケティング

    ソーシャルメディアコンテンツのドラフトの作成、市場調査の実施、キャンペーンパフォーマンスの分析に AI 主導のサポートを提供することでマーケティングチームを強化します。

接続種別

  • Streamable HTTP

    クライアントが個々のサーバー URL を認識することなく、MCP サーバーの複数のインスタンスをロードバランサーの背後で実行するようにデプロイできます。クライアントは 1 つのエンドポイント (​/mcp​ など) に接続され、ロードバランサーは要求をすべての MCP サーバーインスタンスに分散します。これは、Mule アプリケーションの複数のレプリカを実行する可能性があるクラウド環境の拡張性を確保するうえで特に役立ちます。

    MCP クライアントとして機能する場合、Streamable HTTP を使用すると、Mule アプリケーションは、拡張性の高い同じ負荷分散方法を使用してリモート MCP サーバーに接続できます。

  • SSE クライアント

    サーバー送信イベント (SSE) 標準を使用して、MCP Connector が MCP サーバーへの永続的な一方向 (サーバー送信) 接続を確立できるようにします。この種別の接続を使用すると、MCP サーバーはリアルタイム更新およびメッセージをクライアントにプッシュすることができ、クライアントは新しい情報を常にポーリングする必要がなくなります。

  • SSE Server

    サーバー送信イベント (SSE) トランスポートを使用して、MCP サーバーを公開します。これにより、MCP クライアントはこのサーバーへの永続的な一方向接続を確立し、リアルタイム更新およびメッセージを受信できます。

Streamable HTTP の制限

Streamable HTTP 接続種別では以下はサポートされません。

  • 通知を取得するために GET ​/mcp​ エンドポイントをコールする

  • 再開可能性と再配信

次のステップ

前提条件を満たしたら、​Anypoint Studio​ または ​Anypoint Code Builder​ でアプリケーションを作成してコネクタを設定できます。