自動化するプロセスの検討

ボットによるプロセスの自動化を開始する前に、以下の側面を検討してください。

  • 標準

  • 修飾子

  • 利点

  • 順序

標準

会社で同じタスクを処理する場合には、いくつかの方法が存在する場合があります。そのため、プロセスの自動化を提案する前に、以下の手順に従ってください。

  1. 収集

    特定のタスクをどのように完了しているかについて、すべての従業員から情報を収集します。

  2. 比較

    収集した回答を比較して必要なステップを決定します。

  3. 編纂

    可能であれば、必要なステップを 1 つのプロセス記述として編纂して、会社での標準とします。

ビジネスプロセスを標準化することで、自動化の準備に役立つうえ、1 つのタスクを複数の方法で自動化してしまうことを回避できます。

修飾子

修飾子とは、プロセスを自動化できるかどうかと、どのくらい容易に自動化できるのかを判断するのに役立つプロセスのプロパティです。

プロセスが次の要件に適合するほど自動化は容易になります。

Qualifier (修飾子) Description (説明)

データ駆動型

テキストや数値に基づいたプロセスは、画像や音声を理解する必要があるプロセスよりも容易に自動化できます。

ルールベース

ルールを使用してプロセスを記述できる割合が高いほど、自動化は容易になります。プロセスに判断ベースとルールベースの部分の両方がある場合は、部分的な自動化が可能です。ボットはルールベースのプロセス部分を実行してから、人間の判断を待ちます。

構造化デジタル入力の使用

関連文書がすべて構造化されたデジタル形式で用意されていれば、プロセスの自動化は容易になります。RPA Builder ツールを使用して文書をデジタル化できます。

安定

プロセスは、常に想定どおりに、つまり​安定して​実行される場合にのみ自動化できます。

利点

利点は、プロセスの自動化が会社にとってどれほど有益であるかを判断するのに役立つプロセスのプロパティです。

利点 説明

高い手動実行コスト

1 回の手動実行に長い時間がかかったり、手動実行の頻度が非常に高かったりする場合には、プロセスのコストが高いと言えます。コストの高いプロセスを自動化することで、従業員の時間を解放して自動化できない作業に振り分けることができます。

エラーが派生しやすい

エラーの防止に役立つ自動化により、プロセスの結果の品質を高めることができます。エラーが少なければプロセスのコストが下がり、顧客満足度も高まります。

リスク

リスクには、法令違反とそれに伴う罰則、詐欺行為、顧客や売上の損失、非効率性/貧弱な意思決定/修正措置によるコスト、会社の評判低下、従業員の病気や損失など、コスト増や損失に繋がるあらゆる出来事が含まれます。自動化によってリスクを削減できます。

レガシーシステムの使用

レガシーシステムを最新のシステムに接続または移行するようにプロセスを自動化します。

スピード重視

すばやく完了する必要があるプロセスを自動化します。ボットは人間より速く処理を実行できます。

不規則性

不定期に発生し、量も不規則なプロセスは、従業員の利用効率を下げてしまいます。ボットであれば、出番が来るまでいつまでも待ち続け、需要のピーク時にも柔軟に対応できます。

順序

学習曲線に合わせて、すばやく結果を生成するような単純なプロセスから開始しましょう。ドキュメントが整理されて、経験豊富な設計者が揃えば、複雑なプロセスにも取り組めるようになります。

プロセスの実行頻度が高いほど、コストも高くなり、自動化の効果も高くなります。そのため、​[Process Evaluation (プロセス評価)]​ ビューの ​[Process Matrix (プロセスマトリックス)]​ ヒートマップでのプロセスの位置付けと、プロセスコストの両方を検討して、プロセスを自動化すべきかどうかと、自動化するタイミングを決定してください。