rtfctl を使用した Runtime Fabric のインストール

Runtime Fabric のコマンドラインツールである ​rtfctl​ を使用して、管理している Amazon Elastic Kubernetes Service (Amazon EKS)、Amazon Elastic Kubernetes Service Anywhere (Amazon EKS-A)、Azure Kubernetes Service (AKS)、Alibaba Cloud Container Service for Kubernetes (ACK)、Google Kubernetes Engine (GKE)、Rancher Kubernetes Engine (RKE) 環境に Anypoint Runtime Fabric をインストールできます。

複数のインスタンスをサポートする Runtime Fabric バージョン 2.2.5 以降には ​rtfctl​ バージョン 0.4.1 以降が必要です。
rtfctl​ は常に最新バージョンの Runtime Fabric エージェントをインストールします。

rtfctl​ ベースのデプロイメントの制限事項を確認するには、​「拡張性ベンチマーク」​を参照してください。大規模なデプロイメントの場合は、最適なパフォーマンスを得るために追加リソースをエージェントに割り当てられるように、Helm ベースの Runtime Fabric デプロイメントを使用します。

始める前に

Kubernetes 環境に Anypoint Runtime Fabric をインストールする前に、次のことを確認してください。

RTFCTL バージョンの互換性

Runtime Fabric アプライアンス 1.x.x エージェントバージョンおよび Runtime Fabric 自己管理型 2.x.x エージェントバージョンとの ​rtfctl​ バージョンの互換性を次の表に示します。

Runtime Fabric アプライアンス 1.x.x

次の ​rtfctl​ バージョンは、アプライアンスクラスター上でサポートされているすべての Runtime Fabric エージェントと互換性があります。

RTF アプライアンス 1.x.x エージェントバージョン rtfctl​ バージョン

すべてのバージョン

0.6.0-2.release-gravity

すべてのバージョン

0.5.2-4.release-gravity

すべてのバージョン

0.3.87 から 0.4.22

Runtime Fabric 自己管理型 (BYOK) 2.x.x

次の ​rtfctl​ バージョンは、自己管理型 Kubernetes クラスターの Runtime Fabric エージェントと互換性があります。

RTF 自己管理型 2.x.x エージェントバージョン rtfctl​ バージョン

2.4.0

0.4.1 以降

2.3.34

0.4.1 以降

2.3.1

0.4.1 以降

2.2.5

0.4.1 以降

2.1.30

0.3.87 から 1.0.12

2.1.0

0.3.87 から 1.0.12

2.0.0

0.3.87 から 1.0.12

Runtime Manager を使用して Runtime Fabric を作成する

Runtime Fabric をインストールする前に、Runtime Manager を使用して Runtime Fabric を作成します。これは、インストール中に必要なアクティベーションデータを取得するために必要です。

  1. Anypoint Platform から [Runtime Manager] を選択します。

  2. [Runtime Fabric]​ をクリックします。

  3. [Create Runtime Fabric (Runtime Fabric を作成)]​ をクリックします。

  4. 新しい Runtime Fabric の名前を入力し、次のいずれかのオプションを選択します。

    • Amazon Elastic Kubernetes Service

    • Azure Kubernetes Service

    • Google Kubernetes Engine

  5. [Next (次へ)]​ をクリックします。

  6. [rtfctl]​ をクリックします。

  7. サポート責任​の免責事項を確認し、同意する場合は ​[Accept (同意)]​ をクリックします。

    Runtime Manager で Runtime Fabric を作成し、[Activation State (アクティベーション状態)] ページを表示します。このページには、Kubernetes サービスの Runtime Fabric をインストールするために使用されるアクティベーションデータが表示されます。次のセクションで使用するために、このデータをクリップボードにコピーします。

rtfctl ユーティリティをダウンロードする

Runtime Fabric は、インストールおよび管理タスクに ​rtfctl​ コマンドラインユーティリティを使用します。​「Runtime Fabric コマンドラインツールのインストール」​を参照してください。

  1. rtfctl​ コマンドラインユーティリティをダウンロードします。

    rtfctl​ は、Windows、MacOS (Darwin)、および Linux でサポートされています。適切な方法を選択してください。

    • Windows

      curl -L https://anypoint.mulesoft.com/runtimefabric/api/download/rtfctl-windows/latest -o rtfctl.exe
    • MacOS (Darwin)

      curl -L https://anypoint.mulesoft.com/runtimefabric/api/download/rtfctl-darwin/latest -o rtfctl
    • Linux

      curl -L https://anypoint.mulesoft.com/runtimefabric/api/download/rtfctl/latest -o rtfctl
  2. rtfctl​ コマンドラインユーティリティのファイル権限を変更します。

    sudo chmod +x rtfctl

Runtime Fabric のインストール

Runtime Manager で Runtime Fabric を作成し、アクティベーションデータを取得したら、​rtfctl​ コマンドラインユーティリティを使用して Runtime Fabric を Kubernetes サービスにインストールします。

Kubernetes 設定が ​\~/.kube/config​ ディレクトリにない場合は、​rtfctl​ を実行する前に ​KUBECONFIG​ 環境変数を設定します。

export KUBECONFIG=<path-to-kubeconfig>
  1. Kubernetes 環境のインストールの準備が整っていることを確認します。

    rtfctl validate <activation_data>

    validate​ オプションで次のことを確認します。

    • Kubernetes 環境が実行中。

    • すべての必須コンポーネントが存在する。

    • すべての必須サービスが使用可能。

      rtfctl​ コマンドラインユーティリティは、Kubernetes 環境との非互換性を出力します。

  2. Runtime Fabric をインストールします。

    rtfctl install <activation_data>

    <activation_data>​ は、Runtime Manager を使用して Runtime Fabric を作成した後に取得されたアクティベーションデータです。インストール中、​rtfctl​ ユーティリティには発生したエラーが表示されます。

プライベートレジストリのインストールでは、​--cluster-ops-image​ フラグを追加して、インストールするエージェントバージョンのリリースノートの説明に従ってイメージバージョンを選択します。

rtfctl install <ACTIVATION_DATA> --cluster-ops-image <local-reg-host>/mulesoft/rtf-cluster-ops:<version-here>

Mule ライセンスキーの挿入

インストール中に Mule ライセンスキーを追加しなかった場合は、​rtfctl​ コマンドラインユーティリティまたは Helm を使用して追加できます。

ライセンスキーをインストールする前に Base64 形式にエンコードしてください。

ライセンスキーのエンコード

  • MacOS では、次のコマンドを実行します。

    base64 -b 0 -i <license-file>
  • Unix では、次のコマンドを実行します。

    base64 -w0 <license-file>
  • Windows では、次のいずれかを選択します。

    • base64 ツールが含まれる WSL または Cygwin シェルを使用し、上記の Unix コマンドを使用します。

    • Windows git (C:\Program Files\Git\usr\bin) と一緒に含まれている base64.exe プログラムを使用します。

    • 次の Powershell コマンドを使用します。

      $BASE64_ENCODED_LICENSE=[convert]::ToBase64String((Get-Content -path "license.lic" -Encoding byte))

rtfctl を使用してライセンスキーを適用する

  1. インストール中にリーダーとして機能するコントローラーノード (インストーラーノード) で、次のコマンドを実行します。

    rtfctl apply mule-license $BASE64_ENCODED_LICENSE

    ファイルパスを直接指定する Mule ライセンスを適用することもできます。

    rtfctl apply mule-license --file /path/to/license.lic
    rtfcl apply​ と一緒に値を使用しても、OpenShift では機能しません。OpenShift コンソールで値を更新する必要があります。
  2. Mule ライセンスキーが適切に適用されていることを確認するには、次のコマンドを実行します。

    rtfctl get mule-license

Helm を使用したライセンスキーの適用

Helm を使用してライセンスを適用するには、次のコマンドを実行します。

helm upgrade runtime-fabric rtf/rtf-agent --set muleLicense=$BASE64_ENCODED_LICENSE -n rtf --reuse-values

イングレスリソーステンプレートの設定

イングレスコントローラーにカスタムアノテーションとイングレスクラス定義が必要な場合は、​「カスタムイングレス設定の定義」​の手順に従います。

GKE のお客様の場合、デフォルトで GKE と一緒に含まれているイングレスコントローラーによってアプリケーションごとに個別の HTTP ロードバランサーがプロビジョニングされます。詳細は、こちらの KB 記事​を参照してください。

Runtime Fabric を検証する

インストールが完了したら、Anypoint 組織内で Runtime Fabric をアクティブ化する必要があります。インストールを検証するには、Anypoint Runtime Manager に移動し、Runtime Fabric の状況が ​[Active (アクティブ)]​ であることを確認します。

アプリケーションを Runtime Fabric にデプロイする前に、次の手順を実行します。

  1. Runtime Fabric を少なくとも 1 つの Anypoint 環境に関連付けます。

  2. Kubernetes 環境に基づいてインバウンドトラフィック設定を確認および更新します。

  3. アプリケーションをデプロイして、Runtime Fabric が正しくインストールおよび設定されていることを確認します。

ロールバックの実行

アップグレードが失敗した場合に、自動的にトリガーされた以前のバージョンの Runtime Fabric にロールバックするには、ナレッジベース記事の 「How to Specify the RTF Agent Version in Upgrades (アップグレード時に RTF エージェントバージョンを指定する方法)」​ナレッジベース記事を参照してください。