SAP Connector 5.8 - Mule 4

SAP 用 Anypoint Connector (SAP Connector) を使用すると、SAP NetWeaver に基づいてデータを外部システムと統合できます。

SAP Connector は、Anypoint Platform の Design Center 機能では使用できません。

このコネクタを使用するには、個別のライセンスが必要です。このコネクタを評価したり、本番環境で使用したりするには、MuleSoft にお問い合わせください。

Mule Runtime Engine (Mule) では、SAP 用 Anypoint Connector (SAP Java Connector (JCo) ライブラリを利用する SAP 認定 Java Connector) を介した SAP インテグレーションがサポートされます。SAP JCo により、SAP バックエンドシステムと Java アプリケーション間の通信が促進されます。Java プログラムは、SAP システムに接続して、Remote Function Module を起動できるようになります。また、オブジェクト型が異なっていても IDoc (SAP 中間ドキュメント) を解析できるようになります。SAP 設定では、インバウンド通信とアウトバウンド通信の両方がサポートされます。

SAP JCo ライブラリを使用すると、Mule アプリケーションで次のことができます。

  • 次の種別の RFC プロトコルを介して BAPI 関数を実行する。

    • Synchronous Remote Function Call RFC (sRFC)

    • Asynchronous Remote Function Call RFC (aRFC)

  • sRFC および aRFC を介して BAPI としてコールされる JCo サーバーとして動作する。

  • tRFC および qRFC を介して IDoc を送信する。

  • tRFC および qRFC を介して IDoc を受信する。

  • SAP オブジェクト (BAPI および IDoc では JCo 関数) と XML 間の変換を行う。

SAP の頭字語については、​「SAP 用語」​を参照してください。

始める前に

このコネクタを使用するには、以下に精通している必要があります。

  • SAP Connector の API

  • Anypoint Connector

  • Mule Runtime Engine (Mule)

  • Mule フローの要素とグローバル要素

  • Anypoint Studio (Studio) を使用した Mule アプリケーションの作成

アプリケーションを作成する前に、以下が必要です。

  • SAP の対象リソースにアクセスするためのログイン情報

  • SAP ビジネスコンテキスト (特に SAP R/3 ビジネススイート) の実践的な知識

  • 管理的な観点からの SAP NetWeaver プラットフォームの基本的な理解

  • ABAP 言語の知識

  • 必要な SAP ライブラリをダウンロードするための SAP ID

  • NetWeaver アプリケーションサーバー (NWAS) に接続するための RFC プロトコルの使用
    ECC​ および CRM​ は、他の SAP ソリューションと同様に NWAS 上で実行されるため、コネクタを使用するユーザーはこれらのシステムにアクセスできます。

  • Anypoint Studio を使用した Mule アプリケーションの作成方法に関する知識

アプリケーションを作成する前に、SAP Web サイトにアクセスし、IDoc、JCO、JCO Native のバージョン 3.1.x ライブラリを、使用するコンピューターのフォルダーにダウンロードします。

Studio 7 では、変換することなくライブラリ形式を直接使用できます。

コネクタの一般的なユースケース

SAP Connector の一般的なユースケースを次に挙げます。

  • エンタープライズリソースの統一されたビュー

    財務会計、資材管理、販売と流通、顧客サービスのビジネスでデジタル情報のリアルタイムインテグレーションを有効にして、コアビジネスプロセスを最適化するデータ主導の意思決定を行います。

  • データ同期

    SAP データを Salesforce、Workday、Marketo などのビジネスアプリケーションと同期します。たとえば、SAP の多数のアカウントを Salesforce に移行したり、SAP の組織の変更をリアルタイムに Workday にブロードキャストしたりできます。

  • 販売注文の自動化

    SAP ERP と CRM (Salesforce など) 間の販売注文プロセスを自動化します。

  • BAPI のサポート

    BAPI の検出、BAPI/RFM 対応の関数モジュールの照会、BAPI 関数の実行などを行います。

  • IDoc インテグレーション

    SAP の IDoc の送受信、IDoc のインポート、SAP オブジェクトと XML の変換を行います。

これらのユースケースの例については、​「SAP Connector の例」​を参照してください。

認証種別

SAP Connector 接続では、次の認証種別を使用します。

  • Certificate (証明書)

    X509 証明書を使用してユーザーを認証する接続プロバイダー。

  • Kerberos

    Kerberos プロトコルを実装してユーザーを認証および承認する接続プロバイダー。

  • Simple Connection Provider

    ユーザー名とパスワードを使用して接続する接続プロバイダー。

Exchange テンプレートおよび例

Anypoint Exchange​ は、アプリケーションのスタートポイントとして使用できるテンプレートと、完全なソリューションを具体的に示した例を提供しています。

次のステップ

前提条件を満たし、テンプレートおよびサンプルを試したら、​Anypoint Studio​ でアプリケーションを作成できます。