Anypoint Platform ホスティングの概要

クラウドまたは物理データセンターのいずれかの場所ごとに Anypoint Platform の異なる部分をホストできます。Anypoint Platform 環境の最適なホスティングオプションは、セキュリティ、データプライバシー、法的要件によって異なります。さまざまなホスティングオプションにより、お客様のデータやお客様の顧客のデータが保存、処理、管理される場所を制御できます。データは、会社の IT ポリシーおよび要件で求められる物理的な場所の内部で分離された状態が維持されます。

コントロールプレーンとランタイムプレーン

MuleSoft でサポートされているさまざまなホスティングオプションを理解するには、Anypoint Platform のコンテキスト内のコントロールプレーンとランタイムプレーンを理解する必要があります。

コントロールプレーンとランタイムプレーンのコンテンツの図

  • コントロールプレーン

    API や Mule アプリケーションを設計、デプロイ、管理するために使用する Anypoint Platform アーキテクチャのコンポーネント。コントロールプレーンには、Anypoint Design Center、Anypoint Management Center、Anypoint Exchange に含まれる製品の機能とコンポーネントがあります。

  • ランタイムプレーン

    API や Mule アプリケーションをデプロイしてユーザーが使用できるようにする Anypoint Platform アーキテクチャのコンポーネント。ランタイムプレーンには、Mule Runtime サーバーとサポートサービスがあります。

ホスティングオプションの選択

Anypoint Platform は、コントロールプレーンとランタイムプレーンを個別にホストできるように設計されています。要件に応じて、以下から選択できます。

  • MuleSoft が管理するコントロールプレーンとランタイムプレーンで Anypoint Platform を使用する。

  • 各自のインフラストラクチャ内でランタイムプレーンをホストおよび管理し、MuleSoft が管理するコントロールプレーンと接続する。

  • コントロールプレーンとランタイムプレーンの両方を各自のインフラストラクチャ内でローカルにホストする。

各コントロールプレーンオプションでどのランタイムプレーンホスティングオプションがサポートされているかについては、​[Control Plane and Runtime Plane Support Matrix]​を参照してください。

コントロールプレーンホスティングオプション

MuleSoft では、コントロールプレーンの次の環境が用意されています。

  • US クラウド (デフォルト)

    US クラウドでは、コントロールプレーンが米国内で物理的にホストされます。

  • EU クラウド

    EU クラウドでは、コントロールプレーンが欧州内で物理的にホストされます。

  • カナダクラウド

    カナダクラウドでは、コントロールプレーンがカナダで物理的にホストされます。

  • 日本クラウド

    日本クラウドでは、コントロールプレーンが日本で物理的にホストされます。

  • MuleSoft Government Cloud

    MuleSoft Government Cloud は、MuleSoft によって管理される、政府機関に適したコントロールプレーンの FedRAMP 準拠のインスタンスです。

    詳細は、​「About Government Cloud (Government Cloud について)」​を参照してください。

  • 顧客がホストするコントロールプレーン

    MuleSoft では、コントロールプレーンを各自のデータセンター内でホストすることもできます。Anypoint Platform Private Cloud Edition (Anypoint Platform PCE) は、ユーザーが管理するデータセンター内でコントロールプレーンをホストできる Anypoint Platform のバージョンです。これにより、アセットおよびメタデータが保存される環境を制御できます。

    Anypoint Platform PCE では、スタンドアロン環境でホストされる Mule Runtime サーバーをデプロイできます。物理サーバー、仮想サーバー、またはサードパーティクラウド環境 (Amazon Web Services など) でコントロールプレーンをホストできます。

    詳細は、​「Anypoint Platform PCE について」​を参照してください。

    一部の Anypoint Platform コンポーネントは、Anypoint Platform PCE ではサポートされていません。詳細は、​[Support Matrix for Control Plane Hosting Options]​を参照してください。

次の表に、リージョンサービスについての詳細を示します。

リージョン リージョン名 コントロールプレーン

北米

米国東部 (北バージニア)

us-east

US

米国東部 (オハイオ)

us-east-2

US

米国西部 (北カリフォルニア)

us-west

US

米国西部 (オレゴン)

us-west-2

US

カナダ (中央部)

ca-central

US

US GovCloud (西部)

us-gov-west

US Gov

南米

ブラジル (サンパウロ)

br-south

US

APAC

Singapore

ap-southeast

US

オーストラリア (シドニー)

ap-southeast-2

US

日本 (東京)

ap-northeast

US

ヨーロッパ

アイルランド

eu-west

US

ドイツ (フランクフルト)

eu-central

US

UK (ロンドン)

eu-west-2

US

アイルランド (EU コントロールプレーン)

eu-west

EU

ドイツ (EU コントロールプレーン)

eu-central

EU

コントロールプレーンホスティングオプションのサポートマトリックス

すべての Anypoint Platform コンポーネントおよび機能がすべてのクラウド環境でサポートされているわけではありません。 次の表に、各コンポーネントがどの環境でサポートされているのかを示します。

Anypoint Platform コンポーネント US コントロールプレーン EU コントロールプレーン MuleSoft Government Cloud Anypoint Platform PCE カナダクラウド 日本クラウド

アクセス管理

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Y

Y

Y

Y

Y

Analytics

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Y

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N

N

N

Anypoint API コミュニティマネージャー

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Y

Y

N

Y

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Anypoint API Experience Hub

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Y

N

N

Y

Y

Anypoint Code Builder

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Y

N

N

Y

Y

API Designer

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Y

Y

Y

Y

Y

Anypoint API Manager

Y

Y

Y

Y

Y

Y

CloudHub ランタイム

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Y

Y

N

Y

Y

顧客がホストするランタイム

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Y

Y

Y

Y

Y

Anypoint DataGraph

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Y

N

N

N

N

Anypoint Exchange

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Y

Y

Y

Y

Y

Anypoint MQ

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Y

Y ​*

N

Y

Y

Anypoint Monitoring

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Y

Y

Y

Y

Y

Anypoint Partner Manager

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Y

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N

N

N

Runtime Fabric

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Y

N

N

Y

Y

Anypoint Runtime Manager

Y

Y

Y

Y

Y

Y

シークレットマネージャー

Y

Y

N

N

Y

Y

Anypoint Security Edge ポリシー

N

N

N

N

N

N

Anypoint Security トークナイゼーション

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N

N

N

N

N

Anypoint Service Mesh

Y

Y

N

N

N

N

Anypoint Studio

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Y

Y

Y

Y

Y

Anypoint Visualizer

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Y

Y

Y

Y

Y

RPA Manager

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N

N

N

* クライアントアプリケーションや暗号化されないキューなど、一部の Anypoint MQ 機能はアクセスまたは設定ができません。 詳細は、​「Anypoint MQ in MuleSoft Government Cloud (MuleSoft Government Cloud の Anypoint MQ)」​を参照してください。

ランタイムプレーンホスティングオプション

MuleSoft には、Anypoint Platform ランタイムプレーンをホストするためのさまざまなオプションが用意されています。

  • CloudHub 2.0

    CloudHub 2.0 は、完全に管理されコンテナ化されたサービスとしてのインテグレーションプラットフォーム (iPaaS) であり、API とインテグレーションを軽量コンテナとしてクラウドにデプロイできます。

    CloudHub 2.0 は、単一テナンシーまたは共有テナンシーで世界の 12 リージョンにわたるデプロイメントを提供し、拡張性の高いトランザクション量をサポートするために、インフラストラクチャと組み込みサービスを動的に拡大または縮小します。 詳細は、​「CloudHub 2.0」​を参照してください。

  • CloudHub 1.0

    CloudHub は、Mule Runtime サーバーと関連サービスをホストする MuleSoft のクラウドベースの環境です。CloudHub では、MuleSoft によって管理されるプラットフォームに API または Mule アプリケーションをデプロイできます。

    また、高可用性を提供し、API や Mule アプリケーションのクラスタリングとフェールオーバーを行い、それらの負荷分散を実行します。詳細は、​「CloudHub」​を参照してください。

    CloudHub は、同じ環境に存在するクラウドコントロールプレーン (US クラウド、EU クラウド、MuleSoft Government Cloud) のバージョンで管理できます。

  • Runtime Fabric

    Runtime Fabric は、制御および管理するデータセンターまたはサードパーティクラウド環境内で Mule アプリケーションと API ゲートウェイを実行できるようにするコンテナサービスです。Runtime Fabric は、一連の物理サーバー、仮想サーバー、または Amazon Web Services や Microsoft Azure 内にインストールできます。

    Runtime Fabric には、Docker や Kubernetes などのテクノロジーがバンドルされており、高可用性、フェールオーバー、クラスタリング、負荷分散などの利点を得られます。詳細は、​「Anypoint Runtime Fabric の概要」​を参照してください。

    Runtime Fabric は、クラウドコントロールプレーン (US クラウド、EU クラウド) でのみ管理できます。MuleSoft Government Cloud や Anypoint Platform PCE では、Runtime Fabric はサポートされていません。

  • ハイブリッドスタンドアロンランタイム

    ハイブリッドスタンドアロンランタイムでは、制御する環境で Mule Runtime Engine をホストできます。このモデルでは、顧客の信頼境界内で、デプロイメントの制御およびセキュリティがクラウドベースサービスの柔軟性、拡張性、一元管理と組み合わされて提供されます。

    ハイブリッドスタンドアロンランタイムを使用すると、物理サーバー、仮想マシン、または Amazon Web Services (AWS) や Microsoft Azure などのサードパーティクラウドサービス内で Mule Runtime Engine を実行できます。

  • スタンドアロンランタイム

    スタンドアロンランタイムは、インターネットや Anypoint コントロールプレーンに接続できない分離された環境に便利です。これらの環境では、1 つのインスタンス (物理サーバー、仮想マシン、または AWS や Azure などのサードパーティクラウドサービス内) で Mule Runtime Engine をホストできます。このセットアップはシンプルで制御しやすいですが、手動でインフラストラクチャタスク (高可用性、フェールオーバー、クラスタリング、負荷分散など) を管理する必要があります。Anypoint コントロールプレーンへの接続は不要で、これらの Mule インスタンスを各自の環境内全体で管理します。

    スタンドアロンランタイムは、クラウドコントロールプレーン (US クラウド、EU クラウド、MuleSoft Government Cloud) または顧客がホストするコントロールプレーン (Anypoint Platform PCE) を使用して管理できます。

ランタイムプレーンホスティングオプションのサポートマトリックス

すべての Anypoint Platform コンポーネントが各ランタイムプレーンホスティングオプションでサポートされているわけではありません。

Anypoint Platform コンポーネント CloudHub 2.0 CloudHub Runtime Fabric スタンドアロン

Mule Runtime Engine

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Y

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Anypoint MQ

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Y

Y

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Anypoint Object Store v2

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Y

N

N

Anypoint DataGraph

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N

N

コネクタ

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Y

Y

Y

  • Anypoint Object Store v2

    Runtime Fabric とスタンドアロンランタイムでは、Anypoint Object Store v2 はサポートされていません。代わりに、Runtime Fabric とスタンドアロンランタイムでは、Mule クラスタリングがサポートされています。Runtime Fabric では、同じアプリケーションの複数のレプリカでオブジェクトを共有できます。スタンドアロンランタイムでは、複数の Mule Runtime Engine で相互のオブジェクトを共有できます。

  • コネクタのサポート

    ファイル用 Anypoint Connector (File Connector) のような、ファイルシステムのファイルを取得して操作するコネクタはサポートされていません。Runtime Fabric にデプロイされた Mule アプリケーションは、仮想マシンまたはネットワークマウントのファイルシステムにアクセスできません。

コントロールプレーンとランタイムプレーンのサポートマトリックス

次の表に、各コントロールプレーンホスティングオプションでサポートされるランタイムプレーンオプションを示します。

ランタイムプレーン US コントロールプレーン EU コントロールプレーン MuleSoft Government Cloud Anypoint Platform PCE カナダクラウド 日本クラウド

CloudHub 2.0

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Y

N

N

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Y

CloudHub

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Y

Y

N

N

N

スタンドアロンランタイム

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Y

Y

Y

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Y

Runtime Fabric

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N

N

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