ハイブリッドランタイムの監視

オンプレミスサーバに Anypoint Monitoring エージェントをインストールし、そのサーバ上で実行されていて、CloudHub で管理されているアプリケーションを監視できます。

Anypoint Monitoring エージェントは、監視データを Anypoint Monitoring クラウドエンドポイントに送信します。Anypoint Monitoring データの送信には、高効率の双方向バイナリチャネル経由でログデータを転送するためのオープンソースプロトコルが使用されます。データは相互 TLS 暗号化を使用してセキュアに送信されます。

サーバグループまたはクラスタ全体で Anypoint Monitoring を使用するには、個々のサーバに Anypoint Monitoring をインストールする必要があります。

始める前に

アウトバウンドファイアウォールがある場合は、ポート 443 を開きます。

次のエンドポイントへの送信接続が行われます。

  • US コントロールプレーン

    • data-authenticator.anypoint.mulesoft.com:443

    • dias-ingestor-router.us-east-1.prod.cloudhub.io:443

    • s3.amazonaws.com:443

  • US-GOV コントロールプレーン

    • data-authenticator.gov.anypoint.mulesoft.com:443

    • dias-ingestor-router.us-gov-west-1.gprod.msap.io:443

  • EU コントロールプレーン

    • data-authenticator.eu1.anypoint.mulesoft.com:443

    • dias-ingestor-router.eu-central-1.prod-eu.msap.io:443

    • s3.eu-central-1.amazonaws.com:443

サポートされているオペレーティングシステム

Anypoint Monitoring が、次のいずれかのオペレーティングシステムが稼働するサーバにインストールされていることを確認します。

  • CentOS 7

  • RedHat Enterprise Linux 7

  • Ubuntu 16.04 および 18.04

  • Windows Server 2016、Windows Server 2019

エージェントをインストールするには、ルート権限または管理権限が必要です。

Mule Runtime Engine のサポート対象バージョン

次の Mule Runtime Engine バージョンと Anypoint Monitoring を使用してください。

  • Mule 3 バージョン 3.8.7 以降
    バージョン 3.8.6 以前はサポートされていません。さらに、​-AM​ サフィックスがあるすべてのランタイムバージョンは非推奨です。

  • Mule 4
    API Analytics の拡張メトリクスを使用するには、Mule Runtime Engine バージョン 4.1.6 以降を使用してください。

Mule Runtime Manager エージェントのサポート対象バージョン

次のいずれかの Mule Runtime Manager エージェントバージョンが、サーバ上で実行されている Mule runtime engine にインストールされていることを確認します。

  • 2.4.x

  • 2.3.0

  • 2.2.x

  • 2.1.9

  • 2.1.7

  • 2.1.6

  • 1.14.x

  • 1.13.0

  • 1.12.x

  • 1.11.x

  • 1.10.0

Mule デプロイメントは Runtime Manager ユーザインターフェースに表示され、管理される必要があります。表示されるようにするには、新規デプロイメントで Runtime Manager ユーザインターフェースまたは ARM REST API を使用します。

ハードウェア前提条件

サーバが Anypoint Monitoring の次の最小ハードウェア要件を満たしていることを確認します。

  • 2GHz CPU または 1 仮想 CPU

  • 1GB RAM

  • 4GB ディスク領域

  • Intel x86 または x64 互換の CPU アーキテクチャ

Anypoint Monitoring エージェントのインストール

Anypoint Monitoring エージェントをダウンロードしてオンプレミスにインストールするための手順は、Anypoint Monitoring ユーザインターフェースの ​[Setting (設定)​ ページ]​にあります。​[Settings (設定)]​ ページから Anypoint Monitoring インストール ​am.zip​ ファイルをダウンロードすることもできます。

Anypoint Monitoring エージェントをインストールするときに、次の点に注意します。

  • am.zip​ ファイルを展開すると、ZIP を展開した場所に ​am​ というフォルダが作成されます。

  • Anypoint Monitoring をサービスとしてインストールするかどうかをインストールスクリプトが尋ねます。

    • インストーラによってサービスとしてプリセットしない場合は、​[No (いいえ)]​ を選択します。

    • -x​ 引数を指定したインストールスクリプトをコールすると、この確認を省略できます。この確認を省略すると、Anypoint Monitoring はサービスとしてインストールされません。

  • 既存の filebeat インスタンスが実行されているサーバに Anypoint Monitoring エージェントをインストールすることはできません。

  • Anypoint Monitoring エージェントをサーバグループのハイブリッドサーバにインストールするときは、Runtime Manager を使用してサーバを再起動し、Anypoint Monitoring がメトリクスの収集を開始できるようにします。

SOCKS5 プロキシ設定

監視データがデータセンターから送信されるときにプロキシが必要な場合、Anypoint Monitoring エージェントのインストール時にコマンドラインパラメータ ​-p​ を使用できます。

監視に SOCKS5 プロトコルを使用するには、以下を実行する必要があります。

  1. Runtime Manager と共にプロキシをセットアップします。​「Runtime Manager でのサーバの作成」​を参照してください。

  2. SOCKS5 プロキシ設定手順を実行するには、環境に互換サーバがデプロイされている必要があります。

  3. Anypoint Monitoring エージェントをインストールし、​-p​ オプションを使用します。たとえば、Windows サーバのコマンドラインで次のように入力します。

<location-of-am-folder\bin>powershell -file install.ps1 -p socks5://user:password@socks5-server:1080

Linux サーバの場合は、次のように入力します。

$ ./install -p socks5://user:password@socks5-server:1080

SOCKS5 プロキシ設定のユーザまたはパスワードに URI 予約文字が含まれている場合、RFC 3986 のエンコードルールに従ってパーセントエンコードする必要があります。

Anypoint Monitoring エージェントの稼働確認

  1. 設定が反映されるまで 10 分間待ちます。

  2. Anypoint Platform にログインします。

  3. ナビゲーションバーまたは Anypoint Platform のメイン画面で ​[Monitoring (監視)]​ をクリックします。

  4. [Built-in Dashboards (組み込みダッシュボード)]​ ページで、Anypoint Monitoring エージェントをインストールしたサーバ上にデプロイされているアプリケーションを選択します。

  5. [CPU Utilization (CPU 使用率)] チャートと [Memory Utilization (メモリ使用量)] チャートにデータが表示されていることを確認します。
    チャートにデータが表示される場合、Anypoint Monitoring エージェントはインストールされて稼働しています。
    チャートにデータが表示されない場合、Anypoint Monitoring がエンドポイントに接続できることを確認します。

    必要に応じて、サーバが接続を許可するように、エンドポイントをアウトバウンドファイアウォールルールの許可リストに追加できます。許可リストに追加するエンドポイントは、​「開始する前に」​にリストされています。
  6. Anypoint Monitoring エージェントが稼働しているサーバにログインします。

  7. データ転送エージェントのログファイルを開きます。ログファイルはパス ​./am/filebeat/logs​ にあります。

    Linux を使用しており、Anypoint Monitoring エージェントがサービスとして実行されている場合、ログファイルは ​/var/log/filebeat​ ディレクトリにあります。
  8. 接続の失敗または接続の再試行に関するエントリを探します。

Anypoint Monitoring エージェントの更新

Runtime Manager エージェントを更新する場合は、Anypoint Monitoring エージェントを再インストールする必要があります。

今後、いずれかの時点で Anypoint Monitoring エージェントの更新が必要になった場合は、次の手順に従います。

  1. Mule を停止します。

  2. am​ フォルダで、次のコマンドを実行します。
    ./bin/uninstall

  3. am​ フォルダを削除します。

  4. オンプレミスに ​Anypoint Monitoring エージェントをインストール​する手順を実行します。

  5. Mule を再起動します。

パフォーマンスへの影響

監視を有効にすると、アプリケーション設定によっては CPU 使用率とメモリ使用量に影響を与えることがあります。最適なパフォーマンスとサイジングが維持できるように、本番環境で監視を有効化する前に、事前作業環境でパフォーマンスへの影響をテストしてください。

トラブルシューティング

  • 接続の失敗または再試行のエントリが見つかった場合は、アウトバウンドファイアウォールのポート 443 が開いていることを確認します。

  • 接続の失敗または再試行のエントリが見つからなかった場合は、MuleSoft テクニカルサポートまでお問い合わせください。

ハイブリッドランタイムサーバでのログ転送の設定

Titanium サブスクリプションでハイブリッドランタイムサーバを使用している場合、AM インストーラが v.2.5.10 以降であれば、Anypoint Monitoring へのログ転送を無効化できます。この機能を無効化するには、ログ転送を無効化する各ハイブリッドサーバで JVM プロパティを設定する必要があります。アプリケーションごとにログ転送を無効化することはできません。

ログ転送を無効化する手順は、次のとおりです。

  1. Anypoint Monitoring エージェントを、ログ転送の無効化をサポートしているバージョン (am-2.5.10.0.zip 以降) にアップグレードします。

  2. Mule を停止します。

  3. MULE_HOME/conf/wrapper.conf​ ファイルに次の行を追加します (​<N>​ は次に空いているプロパティインデックス):
    wrapper.java.additional.<N>=-Danypoint.platform.monitoring.logs_forwarding.enabled=false

  4. Mule を再起動します。