Anypoint Partner Manager の概要

Anypoint Partner Manager では、API および電子データ交換 (EDI) 形式を使用した Business-to-Business (B2B) メッセージエクスチェンジが可能であり、パートナーとの間で商品の売買などのビジネストランザクションを実行できます。これらのトランザクションは通常、HTTPS や SFTP などのトランスポート、および AS2 などのエクスチェンジを使用して送信されます。Partner Manager では、X12、JSON、XML メッセージ形式がサポートされます。

Partner Manager を使用すると、以下を行うことができます。

  • パートナーの技術的なオンボーディングを実行する。

  • 自分のシステムとパートナーのシステムとの間でビジネスメッセージフローをセットアップ、管理、監視する。

  • ビジネストランザクションを追跡してレポートすることで B2B トランザクションの運用効率を高める。

  • 各トランスミッションペイロードと共に含まれるメタ情報、検証エラー、すべてのメッセージを表示する。

    これらのトランスミッションペイロードには、1 つ以上のビジネスメッセージを含めることができます。

組織のメンバーは、Partner Manager を使用して次のような機能を実行できます。

  • メッセージフローの設計とテスト

  • パートナーとのビジネストランザクションアクティビティの管理

  • バックエンドサービスとパフォーマンスの最適化

Partner Manager の「Product Spotlight (製品スポットライト)」動画で Partner Manager の概要を確認してください。

Partner Manager の使用を始める前に

Partner Manager の使用を始める前に、以下が必要です。

  • Partner Manager エンタイトルメントを含む Anypoint Platform ユーザーアカウント

  • 自分の環境 (Sandbox または本番) で B2B メッセージフローにアクセスする必要があるすべてのユーザーに権限レベルを割り当てることができる「Partner Manager Administrator (Partner Manager システム管理者)」ロール

  • B2B トランザクションワークロードのニーズを管理するのに必要な Mule vCore 容量

  • データベース、Amazon S3、Azure Blob Storage など、送受信する B2B トランスミッションペイロード用のストレージ

  • B2B メッセージフローで使用する AS2、EDIFACT、または X12 Connector のライセンス。

  • Anypoint Studio 7.4 以降

  • EDI メッセージの形式についての理解

  • データ変換を実行するために使用する DataWeave マップを作成する機能

Partner Manager の概念

Partner Manager を使用するには、以下の概念を理解している必要があります。

ホスト

使用する Anypoint Platform 組織またはビジネスグループ。Partner Manager 実装には、ホストプロファイルの定義の対象である 1 つのホストが含まれます。

パートナー

B2B トランスミッションの送受信の相手であるパートナー。B2B エコシステム内の各パートナーのパートナープロファイルを定義します。

ペイロードストレージ API

トランスミッションコンテンツを保存するためのソリューションに接続する標準化された方法を Partner Manager に提供する API。

メッセージフロー

B2B メッセージがその送信元から DataWeave 変換マップを通じてその送信先に至るパス。2 つの種別のメッセージフローがあります。

  • インバウンドメッセージフロー

    インバウンドメッセージフローでは、パートナーからメッセージ (サードパーティ接続経由のメッセージを含む) を受信します。インバウンドメッセージフローを作成する場合、インバウンドメッセージを検証して変換してから、バックエンドアプリケーションに送信できます。

  • アウトバウンドメッセージフロー

    アウトバウンドメッセージフローでは、バックエンドアプリケーションからメッセージを受信し、それらのメッセージを検証してパートナーが想定する形式に変換してから、パートナーに直接またはサードパーティ接続経由で送信します。

    メッセージフローは、​エンドポイント​、​メッセージ種別​、​送信者および受信者識別子​、​変換マップ​ (省略可能) で構成されます。

エンドポイント

次の操作に必要なトランスポートプロトコル設定を定義します。

  • 外部パートナーまたは内部バックエンドアプリケーションからのメッセージの受信

  • 外部パートナーまたはバックエンドアプリケーションへのメッセージの送信

次の種別のエンドポイントを定義できます。

  • Receive from Partners (パートナーから受信)

    パートナーから直接、またはサードパーティ接続経由でインバウンド B2B メッセージを受信するインバウンドメッセージフローの送信元エンドポイント

  • Target at Host (ホストの送信先)

    変換されたメッセージがバックエンドアプリケーションに送信されるインバウンドメッセージフローの送信先エンドポイント

  • Source at Host (ホストの送信元)

    バックエンドアプリケーションからアプリケーションメッセージを受信するアウトバウンドメッセージフローの送信元エンドポイント。

    Send to Partners (パートナーに送信)

    パートナーに直接、またはサードパーティ接続経由で変換された B2B メッセージを送信するアウトバウンドメッセージフローの送信先エンドポイント

メッセージ種別

Partner Manager で送受信されるトランザクションの構造を定義します。Partner Manager では、次のメッセージ種別がサポートされます。

  • Receive from Partners (パートナーから受信)

    パートナーまたはサードパーティ接続がインバウンドメッセージフロー経由でホストに送信するトランザクションの構造を定義します。このメッセージ種別の​カスタムメッセージ属性​を定義できます。

  • Target at Host (ホストの送信先)

    ホストがインバウンドメッセージフロー経由でバックエンドに送信するトランザクションの構造を定義します。

    Source at Host (ホストの送信元)

    バックエンドがアウトバウンドメッセージフロー経由でホストに送信するトランザクションの構造を定義します。このメッセージ種別のカスタムメッセージ属性を定義できます。このメッセージ種別の​カスタムメッセージ属性​を定義できます。

  • Send to Partners (パートナーに送信)

    ホストがアウトバウンドメッセージフロー経由でパートナーまたはサードパーティ接続に送信するトランザクションの構造を定義します。

送信者および受信者識別子

メッセージの送信者と受信者を特定する、AS2、EDIFACT、X12 トランザクションの識別子。X12 メッセージの場合、ISA および GS ヘッダーの識別子によって、トランザクションを処理するための適切なフローを識別する情報が提供されます。

カスタムメッセージ属性

[Receive from Partners (パートナーから受信)] または [Source at Host (ホストの送信元)] メッセージ種別に関連付けることができるユーザー定義属性。これらの属性を使用することで、B2B ワークフローのライフサイクル全体を可視化することができます。

変換マップ

DataWeave マップでは、パートナーのメッセージ形式と組織で使用しているエンタープライズアプリケーションのメッセージ形式との間でビジネストランザクションを変換します。マップを Studio で作成し、メッセージフローを設定するときにマップを Partner Manager にインポートします。

テンプレート

B2B メッセージフロー設定をランタイムアプリケーションに変換する事前構築済みテンプレート。MuleSoft でテンプレートが更新されたら、メッセージフローをアップグレードして更新後のテンプレートを使用することで、パートナーのエコシステムとの統合を強化する新しい機能を利用できます。

次のステップ