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Monitoring API ManagerBatch Job コンポーネントが実行されるたびに、次のフェーズが行われます。
Load and Dispatch フェーズ: Batch Job コンポーネントにより有効な入力がレコードに分割され、レコードを処理する準備が整えられます。このフェーズは Batch Job コンポーネント内で行われます。
Process フェーズ: Batch Job の 1 つ以上の Batch Step コンポーネント内の Mule コンポーネントおよびコネクタの操作により、特定の Batch Job インスタンス内のレコードが処理されます。Batch Aggregator コンポーネント内での処理も Process フェーズで行われます。
On Complete フェーズ: Batch Job コンポーネントにより、Batch Job インスタンスの処理の結果が含まれるレポートオブジェクトが発行されます。
例については、バッチフェーズの XML を参照してください。
フローのアップストリームイベントによって Batch Job コンポーネントがトリガーされると、Load and Dispatch フェーズが開始されます。このフェーズでは、以下が行われます。
Mule によって、Batch Job の各フェーズで保持される新しい Batch Job インスタンスが作成されます。
Batch Job コンポーネントのスコープ内で、batchJobInstanceId
変数を使用して現在処理中の Batch Job インスタンス ID が Mule によって公開されます。vars.batchJobInstanceId
を使用して、任意のバッチ処理フェーズで現在のインスタンスの識別子にアクセスできます。自動生成される識別子は UUID ですが、別の値に変更できます。詳細は、Batch Job インスタンス ID を参照してください。
Batch Job コンポーネントにより、受信されたメッセージペイロードが自動的にレコードに分割され、ステッピングキューにレコードが格納されます。
Batch Job コンポーネントによって入力のすべての項目のレコードが正常に生成され、キューに追加されるか、MULE:EXPRESSION
メッセージなどのエラータイプと "Expecting Array or Object but got String." evaluating expression: "payload"
などのエラーメッセージでイベント全体が失敗します。
Anypoint Runtime Manager では、たとえば次のようにキュー名に BSQ
というプレフィックスが付けられます。
Batch Job コンポーネントにより、読み込まれたレコードを処理する Batch Job インスタンスの実行が開始されます。
Process フェーズは、Load and Dispatch でキューへのレコードの読み込みを完了し、Batch Job インスタンスの処理を開始した後に開始されます。このフェーズでは、Batch Step コンポーネントによって設定済みのサイズのレコードブロックがキューから抽出され、処理されます。(デフォルトのバッチブロックサイズは 100 です)。
Batch Step コンポーネント内での処理はブロックレベルで並列に行われますが、各ブロック内のレコードはデフォルトで順次処理されます。Mule では、自動調整機能によって、使用するスレッド数と適用する並列性レベルが決定されます (「実行エンジン」を参照)。
このフェーズ中、コンポーネント内のプロセッサーは payload
および vars
Mule 変数を使用してレコードにアクセスし、変更を行います。Batch Job ではすべてのレコードの処理が完了した後でレコードがコンシュームされます。そのため、処理済みレコードを外部サーバーまたはサービスに転送する場合は、Batch Step または Batch Aggregator コンポーネント内で転送する必要があります。Mule 変数の伝播ルールについては、「変数の伝播」を参照してください。
Batch Step ではブロック内のレコードを処理した後に、レコードをステッピングキューに送信します。ステッピングキューでは、レコードは次の Batch Step を待機します。すべてのレコードが同じ Batch Job コンポーネント内のすべての Batch Step を通過するまで、このプロセスが続行されます。このフェーズの最後の時点で、すべてのレコードがコンシュームされます。Mule フローのダウンストリームプロセッサーによる追加の処理には使用できません。
Batch Aggregator コンポーネント内で行われるレコードに対する変更は Batch Aggregator コンポーネント外に伝播されないため、変更内容はフローの後続の Batch Step コンポーネントでは表示されませんのでご注意ください。
処理が行われるときに、各レコードはすべての Batch Step コンポーネントでの処理を監視します。
デフォルトでは、Batch Job インスタンスは、キューに追加されたすべてのレコードが 1 つの Batch Step コンポーネントでの処理を終了するのを待たずに、レコードを次の Batch Step で処理できるようにします。Batch Aggregator コンポーネントを設定するとこの動作が変更されます。
Batch Aggregator コンポーネントが固定サイズを設定するときの動作:
Batch Aggregator 内のプロセッサーは入力としてレコードの配列を受け取れる必要があります。
1 | Batch Job コンポーネント内の各 Batch Step によって 1 つ以上のレコードブロックが受け取られ、並列での処理が開始されます。 |
2 | Batch Step コンポーネントはレコードを処理した後で、さらに処理するためにレコードを Batch Aggregator コンポーネントに送信します。 |
3 | 固定サイズ (size ) を処理するよう設定した場合、Aggregator コンポーネントによってレコードが指定した数のレコードが含まれる 1 つ以上のブロックに配置されます。レコードが設定したサイズより少ない場合、最後のレコードのブロックが小さくなります。 |
4 | 特定の配列でレコードを処理した後で、Batch Aggregator コンポーネントではすべてのレコードブロックがステッピングキューに送信されます。 |
Batch Aggregator コンポーネントがレコードをストリーミングするよう設定されているときの動作:
ストリーミング時には、Batch Aggregator コンポーネントではレコードをレコードブロックに配置するのではなく、受け取った直後にレコードを処理します。アグリゲーターのすべてのレコードで現在の Batch Step のすべてのレコードが処理されるまで、レコードは次の Batch Step コンポーネントに公開されません。
コンポーネント内のプロセッサーは入力としてレコードの配列を受け入れることができる必要があります。
1 | 各 Batch Step コンポーネントで 1 つ以上のレコードブロックを受け取り、レコードブロックの並列処理を開始します。 |
2 | Batch Step でレコードを処理したら、レコードを Batch Aggregator に送信してさらに処理を行います。 |
3 | Batch Aggregator コンポーネントでは、現在の Batch Step による処理を待機している、ステッピングキュー内のレコードがなくなるまでレコードの処理を継続します。 |
4 | Batch Aggregator コンポーネントでは集約したすべてのレコードがステッピングキューに送信されます。 |
Mule では、各 Batch Step での処理に成功または失敗したすべてのレコードのリストを保持しています。Batch Step のイベントプロセッサーでレコードの処理に失敗した場合、Mule はバッチの処理を続行し、後続の各 Batch Step では acceptPolicy
に基づいて失敗したレコードをスキップします。Batch Job コンポーネントには、Batch Job が停止する前に失敗できるレコードの数を設定するための maxFailedRecords
プロパティが用意されています。「Batch Job のプロパティ」を参照してください。
このフェーズ中、特定の Batch Job インスタンスで処理したレコードのレポートまたは概要を作成するように Mule Runtime を設定できます。このフェーズでは、システム管理者および開発者に、どのレコードが処理に失敗し、どのレコードが正常に処理されたかに関するインサイトが提供されますが、各レコードの処理が行われたり各レコードへのアクセスが提供されたりすることはなく、処理されたレコードがフローのダウンストリームプロセッサーに渡されたりすることもありません。
このフェーズの終了時に Batch Job インスタンスは完了し、消滅します。
ベストプラクティスとしては、失敗または成功したレコードについて報告するための何らかのメカニズムを設定し、必要な場合は追加アクションの実行を促してください。On Complete フェーズ中に、次のいずれかのタスクを実行できます。
Mule アプリケーションの他の場所にある Batch Job の結果オブジェクトを参照し、特定の Batch Job インスタンスで処理に失敗したレコード数などの Batch Job メタデータを取得および使用する。
各 Batch Job インスタンスの結果オブジェクトを記録する。
<batch:job name="Batch3">
<batch:process-records>
<batch:step name="Step1">
<batch:record-variable-transformer/>
<ee:transform/>
</batch:step>
<batch:step name="Step2">
<logger/>
<http:request/>
</batch:step>
</batch:process-records>
<batch:on-complete>
<logger level="INFO" doc:name="Logger"
message='#[payload as Object]'/>
</batch:on-complete>
</batch:job>
ロガーから payload as Object
に設定すると、レポートは次のようになります。
INFO 2022-07-06 11:39:02,921 [[MuleRuntime].uber.06: [w-batch-take6].batch-management-work-manager @56978b97] [processor: w-batch-take6Flow/processors/3/route/1/processors/0; event: e835b2c0-fd5a-11ec-84a5-147ddaaf4f97] org.mule.runtime.core.internal.processor.LoggerMessageProcessor: {onCompletePhaseException=null, loadingPhaseException=null, totalRecords=1000, elapsedTimeInMillis=117, failedOnCompletePhase=false, failedRecords=0, loadedRecords=1000, failedOnInputPhase=false, successfulRecords=1000, inputPhaseException=null, processedRecords=10, failedOnLoadingPhase=false, batchJobInstanceId=e84b5da0-fd5a-11ec-84a5-147ddaaf4f97}
インスタンス内で失敗したレコードの数を返す payload.failedRecords
のように、Batch Job レポートオブジェクトの項目は DataWeave セレクターを使用するときのキーとしてアクセスできます。
On Complete フェーズを空のままにすると、Batch Job インスタンスは警告なしに完了し、たとえば次のように、インスタンスに関する処理情報がログで提供されます。
Finished execution for instance 'e84b5da0-fd5a-11ec-84a5-147ddaaf4f97' of job 'w-batch-take6Batch_Job'. Total Records processed: 1000. Successful records: 1000. Failed Records: 0