DataWeave のフローコントロールとスコープ操作

次の演算子を任意の DataWeave 式内で使用できます。

開始する前に、DataWeave バージョン 2 は Mule 4 アプリケーションを対象とすることに注意してください。Mule 3 アプリケーションの場合、Mule 3.9 ドキュメントの ​DataWeave バージョン 1 ドキュメントセット​を参照してください。他の Mule バージョンの場合は、Mule Runtime の目次のバージョンセレクターを使用できます。

do

do​ ステートメントはスコープを作成します。このスコープ内で、新しい変数、関数、アノテーション、または名前空間を宣言し、使用できます。構文は、​---​ で区切られたヘッダーと本文で構成されるという点でマッピングに似ています。このヘッダーはすべての宣言を定義する場所であり、本文は式の結果です。

この例では、スクリプトの本文から ​myfun()​ がコールされたときに、​do​ を使用して文字列 ​"DataWeave"​ を返します。

DataWeave スクリプト:
%dw 2.0
output application/json
fun myfun() = do {
    var name = "DataWeave"
    ---
    name
}
---
{ result: myfun() }

この例では、スクリプトの本文から変数 ​myVar​ が参照されたときに、​do​ を使用して文字列 ​"DataWeave"​ を返します。

DataWeave スクリプト:
%dw 2.0
output application/json
var myVar = do {
    var name = "DataWeave"
    ---
    name
}
---
{ result: myVar }

どちらのスクリプトも次の出力を生成します。

出力:
{
  "result": "DataWeave"
}

次の例では、​do​ を使用して、​test(p: String)​ 関数に渡す文字列 (​" Bar"​) の先頭に文字列 ​"Foo"​ を追加します。

DataWeave スクリプト:
%dw 2.0
output application/json
fun test(p: String) = do {
    var a = "Foo" ++ p
    ---
    a
}
---
{ result: test(" Bar") }
出力:
{
  "result": "Foo Bar"
}

「例: ローカル DataWeave 変数」​も参照してください。

if else

if​ ステートメントは条件式を評価し、条件式が ​true​ を返した場合のみ、​if​ の下の値を返します。それ以外の場合、​else​ の下の式を返します。各 ​if​ 式に、対応する ​else​ 式が必要です。

次の例では、ヘッダーで ​myVar​ 変数によって定義された入力 ​{ country : "FRANCE" }​ を使用します。

DataWeave スクリプト:
%dw 2.0
var myVar = { country : "FRANCE" }
output application/json
---
if (myVar.country == "USA")
  { currency: "USD" }
else { currency: "EUR" }
出力:
{
  "currency": "EUR"
}

if-else 構文は、数学ステートメント、論理ステートメント、等価ステートメント、比較ステートメントなど、​true​ または ​false​ に評価されるすべての条件に対して指定できます。条件は、有効な入力に対してのみ適用されます。

次の DataWeave スクリプトは、次の条件ステートメントの結果に ​if else​ ステートメントを適用します。

  • ex1​ の算術演算
    if else​ ステートメントは、演算 ​1 + 1 == 55​ が true であれば ​true​ を返し、そうでなければ ​false​ を返します。

  • ex2​ の等価演算
    if else​ ステートメントは、指定されたインデックスが ​1​ であれば ​1​ を返し、​1​ でなければ文字列を返します。

  • ex3​ の ​isEmpty​ 関数
    if else​ ステートメントは、​aRecord.bookId​ に値が含まれているかどうかによって ​"ID is empty"​ または ​"ID is not empty"​ を返します。

  • firstInput​ を反復処理する ​ex4​ のマッピング
    if else​ は、値が ​101​ と等しければ ​bookId​ の値を数値として返します。値が ​101​ と等しくなければ、指定された文字列を返します。

DataWeave スクリプト:
%dw 2.0
var aRecord =
 [
    "bookId":"101",
    "title":"world history",
    "price":"19.99"
 ]
output application/xml
---
{ examples:
	{
	   ex1 : if (1 + 1 == 55) true
	         else false,
	   ex2 : if ([1,2,3,4][1] == 1) 1
	         else "value of index 1 is not 1",
	   ex3 : if (isEmpty(aRecord.bookId)) "ID is empty"
	  	 else "ID is not empty",
	   ex4 : aRecord.bookId map (idValue) ->
	   	 if (idValue as Number == 101) idValue as Number
		 else "not 101"
	}
}
出力:
<?xml version='1.0' encoding='UTF-8'?>
<examples>
  <ex1>false</ex1>
  <ex2>value of index 1 is not 1</ex2>
  <ex3>ID is not empty</ex3>
  <ex4>101</ex4>
</examples>

「DataWeave の演算子」​にも例が掲載されています。

else if

else if​ を組み込むことで、if-else 構造内で複数の ​else​ 式をまとめてチェーニングできます。 次の例では、ヘッダーで ​myVar​ 変数によって定義された入力 ​var myVar = { country : "UK" }​ を使用します。

DataWeave スクリプト:
%dw 2.0
var myVar = { country : "UK" }
output application/json
---
if (myVar.country =="USA")
	{ currency: "USD" }
else if (myVar.country =="UK")
	{ currency: "GBP" }
else { currency: "EUR" }
出力
{
  "currency": "GBP"
}

次の例も同様ですが、オブジェクトではなく配列を入力として取ります。スクリプトの本文では、​do​ 操作で ​if else​ ステートメントと ​else if​ ステートメントを使用して、​hello​ 変数に値を入力します。

DataWeave スクリプト:
%dw 2.0
output application/json
---
["Argentina", "USA", "Brazil"] map (country) -> do {
  var hello = if(country == "Argentina") "Hola"
   else if(country == "USA") "Hello"
   else if(country == "Brazil") "Ola"
   else "Sorry! We don't know $(country)'s language."
   ---
   "$(hello) DataWeave"
}
出力:
[
  "Hola DataWeave",
  "Hello DataWeave",
  "Ola DataWeave"
]