デプロイメントオプション

Anypoint Studio でアプリケーションを実行すると、Studio の埋め込みテストサーバーにアプリケーションがデプロイされます。このサーバーは本番デプロイメント用ではなく、アップタイム制限が適用されるため、Anypoint Runtime Manager でサポートされているいずれかのデプロイメントオプションを使用して Mule アプリケーションをデプロイしてください。

CloudHub 2.0

CloudHub 2.0 は、完全に管理されコンテナ化されたサービスとしてのインテグレーションプラットフォーム (iPaaS) であり、API とインテグレーションを軽量コンテナとしてクラウドにデプロイできます。

Anypoint Platform​ Runtime Manager のクラウドコンソールからアプリケーションをデプロイして、​CloudHub​ でホストできます。CloudHub 2.0 へのアプリケーションのデプロイ方法については、CloudHub 2.0 へのアプリケーションのデプロイを参照してください。

CloudHub

CloudHub は完全なサービスとしてのインテグレーションプラットフォーム (iPaaS) であり、ホスト環境を設定せずにアプリケーションをデプロイするためのサーバー機能を提供します。アプリケーションに割り当てるリソース数は、コントラクトによって制限されます。

Anypoint Platform​ Runtime Manager のクラウドコンソールからアプリケーションをデプロイして、​CloudHub​ でホストできます。CloudHub へのアプリケーションのデプロイ方法については、CloudHub へのデプロイを参照してください。

ハイブリッドデプロイメント

ハイブリッドデプロイメントオプションを使用すると、Runtime Manager のクラウドコンソールから Mule サーバーにアプリケーションをデプロイして、Runtime Manager を使用してアプリケーションを管理できます。このオプションにより、オンプレミスのセキュリティを柔軟に制御できますが、ホストインフラストラクチャを自分で用意する必要があります。

ハイブリッドオプションを使用するには、最初に Mule サーバーを Runtime Manager エージェントに登録します。その後、必要に応じて Runtime Manager からこれらのサーバーをサーバーグループやクラスターに追加することで、可用性を高めることができます。最後に、アプリケーションを Runtime Manager からサーバー、サーバーグループ、またはクラスターにデプロイします。

Mule サーバーにアプリケーションをデプロイする方法については、自分のサーバーへのデプロイを参照してください。

Anypoint Platform Private Cloud Edition

Anypoint Platform Private Cloud Edition​ は、Anypoint Platform の管理機能とエンゲージメント機能をコンテナ化した配布であり、オンプレミスまたは組織のプライベートクラウド環境でホストします。

自分の組織では厳格な規制やコンプライアンス要件によってクラウドソリューションの使用が制限されている場合は、Anypoint Platform PCE を使用してアプリケーションをオンプレミスでデプロイしてホストできます。

アプリケーションを Anypoint Platform Private Cloud Edition にデプロイする方法の詳細については、自分のサーバーへのデプロイを参照してください。

Anypoint Runtime Fabric デプロイメント

Anypoint Runtime Fabric は、Mule アプリケーションや API ゲートウェイのデプロイメントおよびオーケストレーションを自動化するコンテナサービスです。Runtime Fabric は AWS、Azure、仮想マシン (VM)、またはベアメタルサーバーの顧客の管理対象インフラストラクチャ内で実行されます。

Runtime Fabric には、必要なすべてのコンポーネントが含まれています。これらのコンポーネント (Docker や Kubernetes など) は、Mule Runtime や他の MuleSoft サービスと効率的に連携するように最適化されています。

Runtime Fabric オプションを使用するには、最初に Runtime Manager を使用して Runtime Fabric を作成する必要があります。その後、Runtime Fabric をインフラストラクチャにインストールします。最後に、Runtime Manager のクラウドコンソールから、作成した Runtime Fabric にアプリケーションをデプロイします。

Anypoint Platform​ Runtime Manager のクラウドコンソールからアプリケーションをデプロイして、​Anypoint Runtime Fabric​ でホストできます。Runtime Fabric へのアプリケーションのデプロイ方法の詳細については、Runtime Fabric への Mule アプリケーションのデプロイを参照してください。

デプロイメントオプションのアイコン

Runtime Manager ドキュメントの各ページの先頭には、そのページのコンテンツが適用されるデプロイメントオプションを示すアイコンが表示されます。

デプロイメントオプション アイコン

CloudHub 2.0

logo cloud2 active

CloudHub

logo cloud active

ハイブリッド

logo hybrid active

Anypoint Platform Private Cloud Edition

logo server active

Anypoint Runtime Fabric

logo rtf active

Runtime Manager の機能

各デプロイメントオプションで使用できる Runtime Manager の機能については、以下を参照してください。

高可用性

デプロイメントオプション 実装 詳細情報

CloudHub 2.0

2 つ以上のレプリカと Anypoint VPN によるクラスタリング経由。

クラスタリング
VPN 高可用性

CloudHub

2 つ以上のワーカーと Anypoint VPN によるクラスタリング経由。

CloudHub 高可用性機能
Anypoint VPN 高可用性

ハイブリッド

サーバーグループまたはクラスター経由。クラスター化された Mule インスタンスには、永続的な VM キュー、トランザクション、クラスター全体のデータストレージを提供する分散共有メモリがあります。

サーバーグループ
クラスター
Mule Runtime 高可用性 (HA) クラスターの概要

Private Cloud Edition

サーバーグループまたはクラスター経由。クラスター化された Mule インスタンスには、永続的な VM キュー、トランザクション、クラスター全体のデータストレージを提供する分散共有メモリがあります。

サーバーグループ
クラスター
Mule Runtime 高可用性 (HA) クラスターの概要

Runtime Fabric

自動アプリケーションフェールオーバー経由。アプリケーションごとに 2 つ以上のレプリカをデプロイすることにより、高可用性を実現できます。

Runtime Fabric への Mule アプリケーションのデプロイ

JDK バージョン

デプロイメントオプション バージョン 詳細情報

CloudHub 2.0

JDK 8

release-notes::cloudhub-2/cloudhub-2-runtimes-release-notes.adoc

CloudHub

JDK 8

release-notes::cloudhub/cloudhub-runtimes-release-notes.adoc

ハイブリッド

サポートされる JDK の最小バージョンについては、Mule Runtime Engine のリリースノートを参照してください。

release-notes::mule-runtime/mule-esb.adoc

Private Cloud Edition

サポートされる JDK の最小バージョンについては、Mule Runtime Engine のリリースノートを参照してください。

release-notes::mule-runtime/mule-esb.adoc

負荷分散

デプロイメントオプション サポートされる負荷分散 Alternative/Workaround

CloudHub 2.0

アプリケーションを 2 つ以上のレプリカにデプロイすると、CloudHub HTTP 負荷分散サービスはこれらのレプリカで要求を分散します。​「スケールアウトとデータセンターの冗長性」​を参照してください。

CloudHub

アプリケーションが複数のワーカーで動作している場合、CloudHub の共有ロードバランサーが自動的に受信トラフィックを分散します。​「専用ロードバランサー」​を参照してください。

必要に応じて専用ロードバランサー (DLB) コンポーネントを使用することで、Anypoint Virtual Private Cloud (VPC) 内の CloudHub ワーカーにデプロイされている複数の Mule アプリケーションに外部トラフィックを転送できます。

ハイブリッド

サポートされていません。

負荷分散は、オンプレミスリソースに接続されているツールで管理できます。

Private Cloud Edition

サポートされていません。

負荷分散は、オンプレミスリソースに接続されているツールで管理できます。

Runtime Fabric

基本的な負荷分散を行うための内部ロードバランサー。

また、Runtime Fabric から rsyslog サーバーにログを転送できます。

ログ

デプロイメントオプション 説明 Alternative/Workaround 詳細情報

CloudHub 2.0

CloudHub 2.0 により、各レプリカのデプロイメントのメッセージとイベントおよび Mule Runtime Engine ログを含むログデータへのアクセスが可能になります。

デプロイ済みアプリケーションのログデータの表示

CloudHub

CloudHub は、ログレベルのカスタマイズ、ログの検索、ログのダウンロードを行うためのログサービスを提供しています。

ログデータの表示

ハイブリッド

Runtime Manager のログ機能は、ハイブリッドデプロイメントでは使用できません。

オンプレミスアプリケーションを設定することで、Splunk や ELK などの外部分析ソフトウェアにデータを送信できます。

Runtime Manager から外部分析ツールへのデータのエクスポート

Private Cloud Edition

Runtime Manager のログ機能は、ハイブリッドデプロイメントでは使用できません。

Runtime Manager のログ機能は、ハイブリッドデプロイメントでは使用できません。

Runtime Manager から外部分析ツールへのデータのエクスポート

Runtime Fabric

Runtime Fabric は、Anypoint Monitoring の Titanium ログをサポートしています。

また、Runtime Fabric から rsyslog サーバーにログを転送できます。

ログ

監視

デプロイメントオプション 実装 機能 詳細情報

CloudHub 2.0

CloudHub 2.0 にデプロイされているアプリケーション用に、​Runtime Manager​ でアラートを作成できます。

スレッドダンプを実行します。アプリケーションアラートを設定します。

CloudHub 2.0 にデプロイされたアプリケーションの監視

CloudHub

Runtime Manager のダッシュボードは、デプロイされているすべてのアプリケーションのパフォーマンスメトリクスを表示します。

デプロイされたアプリケーションのアラート条件に基づくアラート。アプリケーションでイベントが発生したときに通知する標準的な通知。CloudHub Connector をアプリケーションのフローに追加し、任意のイベントによってトリガーされるカスタムアラートと通知を設定します。

アプリケーションとサーバーの監視

ハイブリッド

Runtime Manager のダッシュボードは、デプロイされているすべてのアプリケーションのパフォーマンスメトリクスを表示します。

デプロイされたアプリケーションのアラート条件に基づくアラート。アプリケーションでイベントが発生したときに通知する標準的な通知。アラートが実行されているサーバーに関連するイベントによってトリガーされます。

アプリケーションとサーバーの監視

Private Cloud Edition

Anypoint Platform PCE は、Runtime Manager ダッシュボードをサポートしていません。

デプロイされたアプリケーションのアラート条件に基づくアラート。アプリケーションでイベントが発生したときに通知する標準的な通知。アラートが実行されているサーバーに関連するイベントによってトリガーされます。

アプリケーションとサーバーの監視

Runtime Fabric

Runtime Fabric エージェントでは、​rtf.mulesoft.com/id​ という表示ラベルの付いた Kubernetes デプロイメントを監視します。

Kubernetes によってデプロイメントの状態が更新されると、エージェントによってその更新がコントロールプレーンに送信されます。

アプリケーションデプロイメントの監視
ログ

オブジェクトストア

デプロイメントオプション 実装 注記 詳細情報

CloudHub 2.0

CloudHub 2.0 でオブジェクトストアを使用するようにアプリケーションを設定する必要はありません。さらに、Mule 4 アプリケーションでは、Anypoint Runtime Manager コンソールから有効化できる Object Store v2 がサポートされています。

CloudHub 2.0 で Object Store v2 を有効にする場合、レート制限がある点に注意してください。

Object Store v2 の概要

CloudHub

CloudHub には、独自の事前設定されたデフォルトのオブジェクトストアがあり、オブジェクトストア用 Anypoint Connector を使用して参照できます。

Idempotent ルーターはメモリ内ストアでのみ動作します。

オブジェクトストアを使用したアプリケーションデータストレージの管理

ハイブリッド

ハイブリッドデプロイメントでは使用できません。

オブジェクトストアを使用するには、データを保存するためのデータベースを設定する必要があります。

Object Store Connector

Private Cloud Edition

Anypoint Platform PCE デプロイメントでは使用できません。

オブジェクトストアを使用するには、データを保存するためのデータベースを設定する必要があります。

Object Store Connector

Runtime Fabric

Runtime Fabric デプロイメントでは使用できません。

オブジェクトストアを使用するには、データを保存するためのデータベースを設定する必要があります。

Object Store Connector

スケジュール

デプロイメントオプション 実装 注記 詳細情報

CloudHub 2.0

Runtime Manager を使用して、実行中のアプリケーションを変更することなく、デプロイされたアプリケーションのフロー内の Scheduler コンポーネントの表示と制御を行うことができます。

アプリケーションスケジュールを表示するには、「Read Applications (アプリケーションの読み取り)」権限に加えて「Exchange Viewer (Exchange 閲覧者)」権限が必要です。

アプリケーションスケジュールの管理

CloudHub

Runtime Manager を使用して、デプロイされたアプリケーションのフロー内の Scheduler コンポーネントの表示と制御を行うことができます。

スクリプトを使用して CloudHub のスケジュールを管理することはできません。CloudHub のスケジュールを管理するには、​[Schedules (スケジュール)]​ タブまたは CloudHub API を使用してください。

スケジュールの管理

ハイブリッド

ハイブリッドデプロイメントでは使用できません。

タスクをスケジュールするには、フロー内で [Scheduler endpoint (Scheduler エンドポイント)] 要素を使用する必要があります。

Scheduler エンドポイント

Private Cloud Edition

Anypoint Platform PCE デプロイメントでは使用できません。

タスクをスケジュールするには、フロー内で [Scheduler endpoint (Scheduler エンドポイント)] 要素を使用する必要があります。

Scheduler エンドポイント

Runtime Fabric

Runtime Fabric デプロイメントでは使用できません。

タスクをスケジュールするには、フロー内で [Scheduler endpoint (Scheduler エンドポイント)] 要素を使用する必要があります。

Scheduler エンドポイント

セキュリティの更新

デプロイメントオプション 実装 詳細情報

CloudHub 2.0

CloudHub 2.0 によって必要に応じてセキュリティパッチが定期的に適用されるため、アプリケーションが保護されます。

CloudHub 2.0 オペレーティングシステムのパッチ更新

CloudHub

CloudHub によって必要に応じてセキュリティパッチが適用されるため、アプリケーションは保護され、月に 1 回 Mule が更新されてアプリケーションの安定性が保たれます。

CloudHub Runtime の継続的な更新

ハイブリッド

アプリケーションをデプロイメントして実行を開始したら、選択したランタイムバージョンのセキュリティの更新を手動で適用する必要があります。

ハイブリッドデプロイメントのセキュリティ

Private Cloud Edition

アプリケーションをデプロイメントして実行を開始したら、選択したランタイムバージョンのセキュリティの更新を手動で適用する必要があります。

Runtime Fabric

アプリケーションのランタイムバージョンでセキュリティの更新が利用できる場合は、Runtime Manager で更新を表示して適用できます。

共有リソースのサポート

デプロイメントオプション 実装 詳細情報

CloudHub 2.0

共有スペースは、マルチテナント環境で実行される Mule インスタンスを含むリソースの拡張性の高いクラウドです。CloudHub 2.0 は、サポートされているリージョンごとに 1 つの共有スペースを提供し、そこにインテグレーションアプリケーションをデプロイします。

共有スペース

CloudHub

CloudHub にデプロイされた各アプリケーションは個別の仮想サーバーで実行されます。ドメインを使用してアプリケーション間のポートやその他のリソースの共有する必要はありません。

ハイブリッド

オンプレミスにデプロイする場合は、​Domain​ Mule プロジェクトを作成することができます。このプロジェクトでは、フローを定義せずに、同じサーバー上にデプロイされる他のアプリケーションとの間で共有するグローバル設定要素のセットを定義します。

オンプレミスアプリケーションデプロイメントでの共有リソースのサポート

Private Cloud Edition

オンプレミスにデプロイする場合は、​Domain​ Mule プロジェクトを作成することができます。このプロジェクトでは、フローを定義せずに、同じサーバー上にデプロイされる他のアプリケーションとの間で共有するグローバル設定要素のセットを定義します。

オンプレミスアプリケーションデプロイメントでの共有リソースのサポート

トラブルシューティング

デプロイメントオプション 実装

CloudHub 2.0

CloudHub 2.0 は​インサイト​トラブルシューティングツールをサポートしていません。代わりに ​Anypoint Monitoring​ を使用します。

CloudHub

インサイト​というトラブルシューティングツールを使用すると、Runtime Manager を使用してデプロイした Mule アプリケーション上のビジネストランザクションやイベントを詳細に調べることができます。[Insight (インサイト)] タブではインサイト分析機能を有効にしてメタデータオプションを指定できます。

ハイブリッド

インサイト​というトラブルシューティングツールを使用すると、Runtime Manager を使用してデプロイした Mule アプリケーション上のビジネストランザクションやイベントを詳細に調べることができます。

Private Cloud Edition

Anypoint Platform PCE には、​インサイト​トラブルシューティングツールはありません。

Runtime Fabric

Anypoint Monitoring を使用して、Runtime Fabric にデプロイされたアプリケーションの情報を表示します。クラスターとコンポーネントの健全性状況を取得するには、Runtime Fabric コマンドラインツールを使用します。​「Runtime Fabric にデプロイされたアプリケーションの監視」​を参照してください。

ハイブリッドデプロイメントのセキュリティ

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デフォルトでは、各 Mule Runtime Engine で Runtime Manager エージェントによってプッシュされたメタデータのみがクラウドに転送されます。アプリケーションデータは公開されません。

エージェントは Mule の監視と制御を行い、データをコントロールプレーンにパブリッシュします。Runtime Manager エージェント API をコールして、外部システムから Mule を制御できます。また、Mule が外部システムにデータを公開するように指定することもできます。

ID や最終平均値など、アプリケーションの監視や制御に有用なデータをエージェントが転送するようにデフォルトの動作を変更できます。 「Runtime Manager エージェント」​を参照してください。

また、機密データをトークナイズすることもできます。​「トークナイゼーションをサービスとして Mule アプリケーションに直接公開」​を参照してください。

オンプレミスアプリケーションデプロイメントでの共有リソースのサポート

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オンプレミスにデプロイする場合は、​Domain​ Mule プロジェクトを作成することができます。このプロジェクトでは、フローを定義せずに、同じサーバー上にデプロイされる他のアプリケーションとの間で共有するグローバル設定要素のセットを定義します。

この方法により、各アプリケーションで同じ設定やログイン情報を繰り返し定義する手間を省くことができます。 また、同じ HTTP ホストおよびポート、あるいは他の排他的なリソースでリスンするように複数のアプリケーションを設定することもできます。

「共有リソースの定義」​を参照してください。